創作◆あなたと始める物語は。40★《ダーリンは芸能人》二次創作 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。




 あなたと始める物語は。40

〜 Leak out ~

《ダーリンは芸能人》二次創作






京介くんが調べたようにキッカリ40分後にやってきた循環バスに乗り、再び市場へと向かった。

これならメインメニューを大きく変更する必要はなさそうだ。

市場に到着してから前回と同じく一旦保冷バッグの返却手続きをし、再度レンタルを申し込んで市場の中に入る。


「今日は何を買うの?」

「んーと…明後日はサブマネさんが車を出してくれるって言うから今日は少なめだけど、鶏肉と豚肉と、シーフードミックス、アボカドとそれから……、なんだっけ」


ある程度は買うものを覚えていたけれど買い忘れしないために、出る前にメモしたスマホを取り出す。

精肉エリアを歩きながらその書き込んだ買い物リストを京介くんが覗きこんだ時だった。


「おやまぁ、新婚さんかい? お似合いだねぇ」


そんな声が聞こえてきて、他の若いカップルに向かって言ってるのかと思いつつ顔をあげて周りを見る。


声の主はふくよかな年配女性で、顔はこちらを向いているから私たちに言ってるのは確かだ。

お店用の前掛けをしていないしエコバッグを持っている様子から市場の利用客のようである。

しかし、まさか新婚夫婦に間違われるとは。

京介くんのためにもこれは訂正しておかないと。


「いえ、あの―――」

「―――そうなんです。 新婚旅行で滞在してるんですけど、妻が手料理を振る舞ってくれるというので買い物に来ました」

「!!!!!
 ちょっと…!」

「あらー、いいわねぇ。
 さっき海ブドウが入ったばっかりだって言ってたから鮮魚エリアに寄ってみるといいわよー」


それだけを言うとその女性はその場を離れていった。

京介くんはその背中にお礼を言っている。

……が。

彼のためにも訂正しなきゃいけないっていうのに当の本人が肯定してしまったことに抗議の声をあげる。


「な、何てこと言うのよ!」

「なにが?」

「し、し、新婚旅行って……!」

「あー、そうだねー。
 愛優香と夫婦に間違われたなんて嬉しー」

「そんなこと言ってる場合!? 大騒ぎになったら」

「初日に買い物に来たときなんて一磨も居たのに何もなかったじゃん。 みんな気にしてないんだよ」

「でも…!」

「はいはい。
 じゃあバレないうちにとっとと買い物終わらせようよ」


そう言ってとある精肉店のウインドウケースを覗きながら「今晩のメインはこれにしない?」とg単価5000円のサーロインを指差す京介くん。

普段使うものより高めなのはこの地方の名前を冠し、全国的にも有名だからだ。

それはともかく、話をはぐらかせようとしてるのはありありなんだけれど早く帰らなければならないのは確かで、それ以上は何も言うことは出来なくて。

今晩のメインを鶏肉のトマト煮込みからサーロインステーキに変更して副菜を温野菜サラダにして…とメニューを組み直して彼の希望を採り入れることにした。

それからはメモ書きした残りの材料を購入して私たちはヴィラへの帰路につくのだった。





そうして食材を持ってヴィラに着く手前で、私たちは入口付近に一磨さんがいることに気付いた。


「うわ、抜け出したのバレてる」

「そんなのバレないわけないでしょうに」

「まあいいや」

「言い訳をするの?」

「しないよー」

「あら、そう。 潔く謝るの?」

「なんで謝るの。 謝らないよ」


そんな会話をしているうちにヴィラの駐車場に到着。

ピリピリムードの一磨くん、やっぱりちょっと怒っているみたいで。

まぁ、そりゃあそうよね。

今日は何処にも行かずに作詞のお仕事に取り組むって話だったし。

ここは年長者として何かを言うべきかしら…と思っていたけれどとりあえずは口を挿まないでおこう。


「京介」


移動用カートを駐車場に置き、買ったものを両手にぶら下げて勝手口に向かおうとした京介くんを一磨さんが呼び止めた。

けれど。


「お小言は後で聞くから」


険しい表情と同じく険しい声音の一磨さんに対して、何が嬉しいのか何故かニコニコ顔の京介くんがそう言う。

……何で笑顔?????

あまりにも相対的な雰囲気に少し居心地悪くて息を潜めていると、一磨さんが大きな溜め息をついた。


「……はぁーーーーー。
 怒る気も失せた」


そう言って踵を返した彼は玄関へと向かう。

呆気に取られていると、京介くんは「愛優香」と私を呼ぶ。


「ねー、買ってきたものをしまおうよ」

「……そうね」


彼にそう声を掛けられて、キッチン側の勝手口から入り、買ってきたものを1つずつ確認しながら冷蔵庫やパントリーにしまう。

その合間に京介くんをチラ見するけれど特に悪びれた様子もなく。

ここで再び私は、この件に関しては余計なことは言わずに何か聞かれたら感情は交えずに事実だけを話そうと決めたのだった。



〜 to be continued 〜