創作◆あなたと始める物語は。13★《ダーリンは芸能人》二次創作短編 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。




 あなたと始める物語は。13

〜 next stage ~

《ダーリンは芸能人》二次創作






それから半年が経って―――。

―――ピピピ…

スマートフォンのアラーム音で目を覚ました。

現在、午前5時半。

まだ外は暗く、吐く息は微かに白い。

いつもどおりに簡単に身支度をしたのち、パーソナルスペースを出て寮母としての仕事を始める。

先ずはみんなが集まるダイニングキッチンの暖房を入れてお掃除から。

とは言ってもフローリング用のワイパーで床を掃き、ダイニングテーブルを拭いて整えるだけなんだけど。

それから玄関の鍵を開けて、5人分の朝食作りに取り掛かる。

今朝のメニューは和食系で、野菜タップリのお味噌汁と西京漬けの焼き鮭、卵焼きと作り置きのきんぴらレンコン、とオーソドックスなものばかりだ。

調理がほぼ終わったところで玄関のドアを開ける音が聞こえてきて、5人のうちの4人が顔を出した。


「あゆちゃーん、今朝のメニューなにー?」

「翔ちゃん、挨拶」

「愛優香さんおはよう」

「…おはよう」

「みんな、おはよう」


この4人はアイドルグループ Wave のメンバー、桐谷翔くん、三池亮太くん、本多一磨くん、そして藤崎義人くん。

都内のとある27階建てマンションの最上階が彼らの寮であり、メンバーの全員が住んでいる。


「ご飯よそうね」


4人分のトレーに朝食を並べてキッチンのカウンターに置くと、彼らは銘々にそれをテーブルへと持っていき、いただきますの挨拶とともに食べ始めた。

彼らが食べている間に、それぞれがカゴに入れて自室から持ってきた洗濯物を片すべくランドリールームに向かう。

洗濯表示ごとに分け、生地の濃淡に分け…と分別していると、その中にどう見ても下着としか言えないもの、いわゆるボクサーパンツが出てきた。

このカゴは…。


「亮太くん! パンツはコッチで洗わないって言ってるでしょ!!!」

「えー、面倒くさいんだよー。 あーちゃんだってパンツだけ洗濯機で洗うって面倒でしょ?」

「私のは手洗いしてるの!」

「あー、ランジェリーってレースいっぱいヒラヒラいっぱいだもんねー。
 でもさー、あーんなに薄かったらお腹壊しちゃうんじゃないのー?」

「ゴフッ…」

「翔、汚い」

「り、亮太がヘンなこと言うから!」

「本当のことだし」

「あーちゃんの見たのかよ!?」

「………さぁ?」

「さぁ?ってお前な…!」

「翔ちゃんうるさい。
 でも何で下着『だけ』ダメなの? ワケわかんない」

「そんなことチーフさんに聞いてよ。 私は彼女から下着は洗わないでいいって言われてるんだから」

「分かったー」


そう言って、手元に置いた自分のスマートフォンでチーフマネージャーさんを呼び出した。


「おっはよー」

『…なに? 手短にね』

「あーちゃんにパンツも洗ってもらっていい?」

『ダメ』

「なんで!」

『年ごろの女の子に男の下着洗いだなんて、そんなことさせられないでしょう?』

「………………年ごろの女の子? 誰が?」


チーフさんからの言葉に、思いっきり怪訝な顔をして思いっきりためてから亮太くんは聞き返した。

いや確かに。

確かに〈年ごろの女の子〉の称号はとっくの昔に返納しましたけども。

ついでに言うと〈若い女の子〉の称号もどこかに飛んでいってしまいましたけども。

なんだかグッサリくるなぁ。

とはいえ、彼の気持ちも分らんでもないけれど。


『下着は自分で洗うことになってるでしょう? それに、もともと姫榊さんには洗濯はお願いしてなかったんだし大物を洗ってもらえるだけでも感謝しなさい』


そう言ってチーフさんは電話を切った。

まぁ、家事という労働を提供する代わりにマンション最上階をタダで貸してもらってるのだから、犯罪まがいなことじゃなければ言われたことはやるつもりではいるのだけどね。

亮太くんの言うところの下着洗いしかり。

1枚だけ洗濯機で洗うっていうのはいくらなんでも不経済だし、手洗いする気もないだろうし、でも溜めてまとめて洗うっていうは不衛生だし。

でもでも、5人分ならまだしも、彼のだけ洗うっていうのもね。

現状は亮太くんと翔くん以外は下着っぽいものは持ってこないんだから、チーフさんの決めた通りにするしかないのだけど。

と、やってるうちに翔くんと一磨くん、義人くんは食べるのを終えて食器を下げていた。


「愛優香さん、ごちそうさまでした。
 亮太、先に行くぞ」

「え、ちょっと待って!」

「あゆちゃん、ごちそうさまー」

「はーい」


亮太くんは慌ててご飯をかきこみ、彼らは仕事に行く準備のためにそれぞれの部屋に帰っていく。

私は「いってらっしゃい」と声を掛け、彼らのその背を見送ったのだった。


〜 to be continued 〜