創作◆あなたと始める物語は。⑧ ★《ダーリンは芸能人》二次創作短編 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
※他サイトにて夢小説展開中

注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。




 あなたと始める物語は。⑧

re-srart ~

《ダーリンは芸能人》二次創作短編





三池亮太に手首を掴まれてタクシーで向かった先はいつも利用するフローリストKMだった。


「圭子さーん、居るー?」


三池亮太の声に気付いたのか、程なくして顔を出したのはここのオーナーさんだ。


「上がって」

「はーい」


三池亮太は掴んだ私の手を離さないままお店の二階へと上がっていく。


「いきなり何事かと思ったら」

「うん、ごめんね。
 で、コチラが…、………えーっと。
 おねーさんの名前なんだっけ」

「え、あ。 あの」

「姫榊愛優香さんよね。 いつもありがとう」

「あれ? 知り合い??」

「知り合いというか、うちのお客様よ。
 てか、なんで名前知らない人のお節介やいてるのよ、亮太」


何日か前に中西京介とも親しげに話してたけど三池亮太ともそうだったとは。

いや、親しげと言うより、身内のような…?

それよりも、なぜ私はここにいるのだろう??


「とりあえず、部屋を見てくれば? 気にいるかどうか分からないし。 そろそろ清翔くんが来るから彼に案内させるわ」

「おねーさん、いまドルチェに住んでんだよね。 で、ビアンカネーヴェって、ドルチェヴィータと同じ造りしてるじゃん? だから大丈夫だよ」

「それでも内見はした方がいいわよ」

「部屋? 内見??」

「やだ、亮太。 あんた何も話してなかったの?」

「んー、まぁ、来れば分かることだったからさー」

「まったく…。
 …ついさっき、この子からマンションの一部屋空いてないかって連絡が来たのよ。 知り合いが緊急で部屋を探してるからって」


私が頭を悩ませてる間、その目の前でずっとスマホを弄ってたのはオーナーさんとやり取りしてたから?

それに、空き部屋の相談をするってことはもしかしてオーナーさんは不動産会社もやってるとか?

そんなことを考えてると、階下から「おはようございまーす」と聞き慣れた声が聞こえてきて。

店内階段を上がってくる足音が響く。


「おはよーございまーす……、って、愛優香さん??」

「こんにちは」

「どーしたんスか?」

「清翔くん、来た早々に悪いんだけどさ、姫榊さんの案内を頼みたいの」

「案内?」

「彼女、急いで部屋を探してるらしくて。 ビアンカの6階が空いてるから彼女を案内してあげてくれない? いまお店は大丈夫だから」

「了解っス。 車、乗ってってもいいっすか?」

「ええ。 これ、部屋の鍵ね」

「はーい。
 じゃ、愛優香さん、行きますか」

「え、あの」

「はい、いってらっしゃ~い」


……と、三池亮太に見送られて、あれよあれよと言う間にお店の裏にあったワンボックスカーに乗せられて。


「じゃ、行ってきまーす」


清翔くんの運転で車は発進した。

スムーズなハンドル捌きで車の流れに乗り、目的地へと向かう。


「車、運転出来るんだね」

「ああ、配達がありますからねー。 オーナー命令で最短期間で取りました」

「へえー、すごいね」

「愛優香さん、免許は?」

「一応持ってる。 すっごい時間掛かったけどね」


そんな他愛のない話をしているとあっという間に目的地に着いた。

清翔くんが来客用駐車場の端のスペースにあったチェーンを外してそこに停める。


「ここ、いいの?」

「お店の車用に空けてるスペースなんで大丈夫ッス」


ワンボックスカーをそこに停めた彼は迷いもなくマンションのエントランスに向かった。

そしてオーナーから渡された鍵を使ってオートロックを解除し、エレベーターホールへ。

と、その時の清翔くんの慣れた様子が気になって。


(駐車スペースのことも知ってるし…どういうこと?)


下衆の勘繰りをしてしまいそうな時、彼は3階で降り、ある一室の前で別の鍵を取り出してドアを開けた。


「ちょっとだけ待っててもらっていいッスか? これから行く空き部屋、スリッパがないんで」

「え? うん」


開け放たれたドアからは男の子っぽく殺風景な玄関土間にスニーカーなどの男性用の靴や何かが入っているポリ袋があるのが見えた。

半透明のポリ袋をよく見るとペットボトルや空き缶が入っているようだ。


(誰かの部屋???)


私がそんなことを考えている間に清翔くんはシューズボックスからスリッパを2足取り出し、また玄関の鍵を閉めた。


「じゃ、案内する部屋は上なんで」


いまの部屋に住んでる人のことを尋ねようとするよりも早く、清翔くんはエレベーターホールへと向かった。

それからすぐに案内されたのは6階の部屋。


「どうぞー」


そう言われて入った部屋はいまの部屋と同じような造りだった。

そこでエントランスホールも廊下も、似た造りであったことに気付く。

『ビアンカネーヴェってドルチェヴィータと同じ造りしてるじゃん?』

三池亮太のあの言葉の意味はこれだったのか。

確かにここなら私が挙げていた条件と合致する。

というか、いまの部屋そのものだ。

でも、あれだけ必死になって探した時にここは検索に引っ掛からなかったのにな。


「ちなみに、さっきの部屋は俺の部屋なんスよ」

「ええっ?」

「オーナーが学生料金で格安にしてくれたんす」

「そーなんだ…」


これまでの話の流れから推測すると、やっぱりあのオーナーさんは不動産関連の仕事もしているのか。

いや、それよりも2つのマンションのオーナーの可能性もある?

今更ながらに、彼女のミステリアスな部分が気になったのだった。


〜 to be continued 〜