創作◆あなたと始める物語は。⑦★《ダーリンは芸能人》二次創作短編 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。



 あなたと始める物語は。⑦

〜 re-srart ~

《ダーリンは芸能人》二次創作





それから3日後の休日。

私はネットで探した賃貸物件を回り、候補物件の図面を持ってマンション併設のカフェで頭を悩ませていた。

引越業者に見積もりを依頼するにもその引越先が決まらないことには相見積りも取れないわけで。

とにかく、この1週間でどうにかしなければ。

…とは思うもののどの物件を見ても『帯に短し襷に長し』な状態だった。


(うーん、広さは我慢するとして…)


条件を削りに削って何とか3件に絞られてきている。

後は防犯の面と周りの環境。

特に駅近のほうは平均して1万円ほど高い。

大した金額ではないように思えるけど、実際に毎月払うことを考えたら地味にイタい。

かといって離れると駅までの道のりが厳しくなる。


「おねーさん、ぐうぜーん」

「…は?」


私に声を掛けてきたのは三池亮太だった。

…有名人がこんなところでウロウロしてていいのかしら。


「ここは外部の人はあまり来ないし、堂々としてたら案外バレないものなんだよねぇ」

「え…」


考えていたことに言葉を返されて、声に出てたのかしらと驚いていると、彼は私の目の前に座った。


「相席、いーよね、おねーさん」

「…もう座ってるじゃない」

「あはは、そーでしたー」


屈託もない笑顔を向ける三池亮太。

馴れ馴れしく図々しいとは思うものの何だか憎めない空気を纏っている。

そんな彼は私が持っていた賃貸物件の図面を覗く。


「京介から聞いたんだけど、引っ越すんだって? やっぱ、あの件が原因??」


答えに窮していると三池亮太は続けた。


「結婚が決まってたんなら住んでるところは引き払う予定だったんでしょ?」

「人のプライバシーを詮索するのが趣味なの?」

「ダメになっちゃったから慌てて探してる」


こちらからの皮肉な問い掛けに応じず、笑顔で言い当てられて私は口を噤んだ。


「でもおねーさんが希望する条件の物件はほぼ皆無だった…ってとこかー」


……最後まで完全に言い当てられてしまった。

まぁ確かに、ちょっと考えたら分かることなんだろうけど。

しかしそれにしても、何のつもりなんだろう?

たまたま修羅場に出くわしただけなのに首を突っ込んでくるなんて。

いや、彼らにとってはこんなことも単なる話のネタになるだけなのかも。


「よく分かったわね。 稼いでる芸能人には大したことなくても一般人には家賃は1000円の差でも厳しいのよ」


イヤミっぽく言っても動じずに笑顔を絶やさない彼を前にして自己嫌悪に陥る。


「…ごめんなさい。 完全に八つ当たりね…」

「ん? なにが??」

「分からなかったら、いい」


今日中に決めて手付けを打たないと先約されたり契約済みになったりしてしまうため、会話は打ち切って意識を目の前の図面に戻した。


「契約更新すればいいのに」

「それが出来ないから探してるの」

「ここ、条件いいもんねぇ」

「…」


思考を遮られて少し苛つくけれど構っちゃいられない。

タイムリミットはあと数時間しかないんだから。

バッグからワイヤレスイヤホンを出して耳に填め、彼の声をシャットアウトする。

これだけ態度が悪かったら流石に他所に行くでしょ。

そう思ったものの彼はそのまま居続けて何やらスマホを弄っていた。


(いやいや、気にしてる場合じゃない)


夜勤や残業のことを考えると駅から徒歩圏内なのはベストだと思うけれど。

駅からバスに乗らないといけない距離だと残業なんかで最終バスに乗れなかった場合、タクシーになる。

そうすると、タクシー代も馬鹿にならないわけで。

と、そこまで考えてた時、突然三池亮太に手首を掴まれた。


「えっ、なに?!」

「おねーさん、空いてる!」

「は?」

「行くよ!」

「…え?  ちょっと!」


本当の本当に突然のことで、何がなんだか全くわからなかった。


〜 to be continued 〜