創作◆あなたと始める物語は。⑤★《ダーリンは芸能人》二次創作 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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注意 当、二次創作小説(シナリオ)を初めて読まれる方は先にこちらをごらんください。




 あなたと始める物語は。⑤

〜 re-srart ~

《ダーリンは芸能人》二次創作短編





翌日。

やはりと言うか何というか。

出社すると遠巻きにヒソヒソ声が聞こえてきた。

元々は寿退社せずにこのまま勤め続けるつもりだったから、破談の話とその経緯は披露宴に出席してくれる予定だった上司には伝えていたのだけれど。

昨日のファミレスでのことが誰かの口から伝わってしまったのだろう。

会社の近くだったしね。

それ自体は仕方ないとして、適齢期を過ぎて捨てられた女だとか玉の輿に乗り損ねた女とか、あまりよろしくない呼称は止めていただきたい。

それが事実だとしても。

かと言って、わざわざそれをお願いするのもなんだかな…。

『人の口に戸は立てられぬ』と言うけれど『人の噂も七十五日』とも言うし、相手であるヒロユキも退職させられたしで噂話の嵐が過ぎるまで待つしかない。

…あー、面倒だわ。


「イシイくん、オオタくん、そろそろ客先に行きましょう」

「あっ、はい!」

「ウィーッス」


どんなに噂話をされようとも嘲笑されようとも、仕事は待ってくれないワケだから頭を切り替え、粛々と今日のスケジュールをこなしていく。

什器メンテナンスと現状での機器交換の可能性を確認して客先担当者との打ち合わせを終えた。

帰社したら報告書をあげて…と考えながら客先の地下駐車場フロアを歩いていると、


「姫榊さーん、やっぱトイレいってきます~」


と、そう言ってオオタくんがさっき降りたエレベーター近くのトイレに駆け戻っていき、イシイくんもそれに倣った。

車で待ってるか…と思い、向かおうとしたけれど、その鍵をオオタくんが持っていることに気付いて仕方なく風防室前で待つことにした。

スマホを取り出し、上司へ打ち合わせ終了の報告をしていたその時。


「あれ? ファミレスのおねーさんじゃん」


聞いたことのあるその声に顔を上げると。


「あ」


そこには中西京介と三池亮太を含む、5人揃った Wave が居た。

いくらここが収録スタジオとはいえ、何千何万といる芸能人の中でも昨日通りすがっただけの人たちに再会するなんて、なんて偶然…。

と言うより。

ファミレスのお姉さんという呼び方はどうなのよ。


「風邪、引いてない?」

「ええ、まぁ。
 昨日はありがとうございました」

「あれくらいどうってことないよ~」


優しく声を掛けてくれたのは中西京介で、お礼を言うとともに頭を下げると、三池亮太が昨夜と同じくキラキラのアイドルスマイルを浮かべてヒラヒラと手を振る。


「昨日って?」


会話に加わってきたのは、Wave のリーダーである本多一磨だ。


「ファミレスでの話、したでしょ」

「ああ! 同じマンショ…いだだだだ!」


何かを言いかけて突然悲鳴をあげたのは、Waveのセンター桐谷翔。

ナニゴト?と思ってふと見ると、中西京介と三池亮太が両方から彼の足を踏んでいた。


「???」

「全く…。 さっき言ったばっかじゃん」

「足踏むことないだろー!」

「翔が迂闊すぎるからだろう」

「義人まで?!」


もう一人の藤崎義人まで加わって喧々囂々とやっているけれど。

ファミレスでの話?

それって私の悲惨な修羅場の?

いくら再会する確率がゼロに等しかったとはいえ、他人の不幸話をネタにするかなー。

段々とムカついてきて、だけど何かを言うことも出来なくて不機嫌な表情になっていくのが自分でも分かる。

そこに用を足し終えたオオタくんたちが戻ってきた。


「姫榊さん、お待たせしまし……、ってWave?!」


素っ頓狂な声を上げる彼。

ここに来るたびに誰か芸能人に会えないかと期待しつつも毎回空振りだったためか、微妙にハイテンションだ。


「戻るよ」


大人の対応として Wave の連中に軽く頭を下げて私は車に向かって歩き出した。

他人の不幸話を笑いながらするような人たちとは二度と遭いたくないと思いながら。


~ to be continued ~