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Staticeの花言葉とともに with 中西京介83
~ダーリンは芸能人・妄想2次小説43~
京介くんを信じていれば覗き見なんてしなくてもいいのでは…とは思うけれど。
でも何故か嫌な予感して、私は少しだけ開いたドアの隙間から二人の様子を見ていた。
「マナミが納得できなくても元鞘は無理。 出来るわけないでしょ?」
「…無理じゃない…! 彼女より、私の方が京介のことをずっと愛してるんだもの!
私ならずっと上手く京介を支えて」
「たとえそうだとしても。 オレはもう海尋しか愛せない」
「京介…!」
「マナミが居なくなって…誰かを本気で愛することをやめたオレに、もう一度、それを思い出させてくれたのは海尋だけだった。
だから、もう彼女しか愛せないのは確信してる」
「わた…私だって本気で愛してるのは京介だけなの! 私には京介しかいないの!」
「マナミ…」
「あの時だって、別れたくなかった…!」
マナミさんが叫んだように言った言葉は、心の底からの本音だと思う。
京介くんたちをスキャンダルから守るという名目のもと、スタプロは法律の網をくぐるようなことをたくさんやってきたと聞くし、私自身もかなり際どい脅しを受けた。
それと同じように、京介くんとマナミさんを強制的に別れさせて…。
(…でも、あれ? ちょっと待って?)
ふと湧きあがった疑問。
なぜ、マナミさんはあの男と一緒にいるだろう?
「引き裂いた」という言葉が当てはまるほど卑怯な手を使った、waveデビュー前の元マネージャー。
私なら、同じ空気も吸いたくない…と思う。
『普通なら』とか『私なら』とか、万人共通の認識ではないにしても、顔も見たくない存在であることは圧倒的多数ではないだろうか。
そんなことを考えて、再びドアの隙間から中を覗くと。
「―――!!」
マナミさんが京介くんに抱きつき…私は思わず部屋に飛び込んだ……つもりだった。
「!?」
後ろから伸びてきた大きな手に口を塞がれ、もうひとつの腕で体ごと拘束された。
(誰…?!)
頭の中がパニックに陥りながらも、ふと気付いたことがあった。
私よりもはるかに体の大きな男性であること。
その人は少し引き摺るようにしながらも、私をその場から連れ去ろうとする。
(ちょっ、やだ……!!)
力の限りもがいても、その腕が離れることはなかった。
そして、京介くんたちのいる部屋から離れた部屋に連れ込まれてしまい…。
何が起きているのかわからない恐怖の中で、私はあることを思いつく。
(一か八か…!)
後ろから拘束された状態で反動をつけて地面を蹴り、宙で体を丸める体制をとる。
男の腕に私の全体重がかかる状態となり、「うぉっ!?」という声と同時に前のめりとなった。
その瞬間、男の腕が離れ、なんとか拘束を解くことが出来た。
すぐさま男の脇をすり抜け、ドアが開いたままの入口へと走った。
(逃げなきゃ…!)
部屋を出て薄暗い廊下をひたすら走る。
いくつもの建物が繋がって構造が分かりづらくなっている上に闇雲に走ったせいで今いる場所が把握できていない。
それでも、下の階へ行くほど人の目は多くなるはずと途中で気付き、階段を目指した。
(たしか、この先…!)
そう喜んだのもつかの間、曲がり角から出てきた手が私を掴んで―――。
~ to be continued ~