創作◆Staticeの花言葉とともに with 中西京介73 | 二次元のカレに逃避中♪

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主に、SNSアプリの乙女ゲームについてのレポ、および携帯恋愛ゲーム《ダーリンは芸能人》(LoveDuetを除く)をベースとした妄想2次小説を書いてます。※PC推奨です
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※元カノの設定は公式のものではありませんので念のため(-"-;A

 
 
 
Staticeの花言葉とともに with 中西京介73
 
~ダーリンは芸能人・妄想2次小説43~
 

 
 
相変わらず週刊誌の記者たちに追いかけられる日々が続いていた。

内容が内容なだけに仕方がないとは思いつつ、放っておいてほしいとも思うのはわがままだろうか。

時間が過ぎれば落ち着くのかなと思っていた矢先。

いつも行く先々で待ち構えている芸能記者たちがほとんどいなくなった。

そして、その理由はすぐに判明する。

 

『biRth 成重徹也 一般女性と入籍済みだった!』

 

つまり、芸能記者たちは成重さんが結婚していたという情報をつかみ、マイクを向ける相手を彼らに変更したというわけだ。

しかも、成重さんたちは愛想よく投げかけられる質問に答えているとか。

とりあえず安堵はするものの、何だかタイミングが良すぎる。

 

(もしかして、私たちのために…?)

 

だけど私たちを助けるメリットは彼らにはない。

そう唸っていると……。

 

「成重の結婚にああもガッツリ食いつくとは」

「えっ…?」

「ある意味、成功だな」

 

驚きの言葉を吐いた来住さんに賛同するように、香月さんも驚きの言葉を発した。

彼らによると、成重さんがここ最近奥さんと一緒に出かけるようになり、早々にファンやらマスコミやらに見つかったらしい。

芸能記者たちにしてもどんなに質問をぶつけようが答えを返さない私たちをいつまでも追い続けても紙面を埋められないと判断したのだろう、と。

 

「…成重さんたちには申し訳ないことを…」

「いや、気に病まなくてもいいよ。 成重は成重でそろそろ発表しようかと思ってたらしいから」

「でも…」

「気になるんなら奮発して何かお祝いでも贈ってあげたら?」

 

そういうお二人に私は肯き、贈り物のアドバイスをもらうことにした。

 

 

 

それからしばらくして、仕事の関係で京介くんとすれ違いの日々が始まった。

彼の元カノや元マネージャーが接触して昔のことを持ちだし、彼を苦しめることにならないかと危惧しているけれど、現状はどうすることも出来ない。

waveのみんなに京介くんのことをお願いするのが関の山だ。

そんな中のある日、A局でちがやさんにばったりと会った。

 

「海尋さん、久しぶり」

「ホント久しぶりー。 ちがやさん、ほとんど舞台だもんね」

「海尋さんはもう舞台やらないの?」

「んー、しばらくは歌で頑張ってみたいかな」

「そうなのね。

 でもまた何かで共演できたらいいわね」

 

今日彼女は新しい舞台の番宣に来たのだという。

以前は端役にさえ掛らなかったけれど、副先生の舞台以降、少しずつ中堅の役が回ってきているのだとか。

また、舞台のみに絞ったのは彼女が世話になっている佐伯美江さんからの提言なのだそうだ。

そうやって他愛のない話をしていると、突然声を潜めて彼女は言った。

 

「…私がこんなこと言うのもなんだけど…なんだか大変なことになってたわね」

 

今回の騒動のことを言っているのだとすぐに理解し、苦笑を返した。

京介くんの復帰第一弾のドラマが最低な形で終わり、そのほとぼりが冷めた頃に発生した今回の騒動は彼の人気が遠因であることは疑いのない事実だ。

けれど、だからといって彼自身が望まなかったどうしようもない過去を悪意をもって公に晒したことは許せるものではない。

 

「で、あのね、海尋さん―――」

「―――ちがやさん、こんなところにいらしたんですか」

 

ちがやさんが思い悩んだ表情で口を開いた時、突然割り込まれた声に私たちは振り返った。

そこにいたのは。

 

「マナミさん…」

 

今回の騒動の元である、篠原マナミさんだった。

 

「え…、ちがやさん、知り合い、なの…?」

 

そう問う私を気まずそうに見て、ちがやさんはそっと顔を俯かせた。

どうして二人が?

京介くんの元カノ。

記憶を失った京介くんに、演技とは言え急接近したちがやさん。

何の接点もなさそうな二人がなぜ?

二人で私と京介くんをあざ嗤っていたのか、とか。

全く以って意外な関係に思考回路が混乱を始める。

訳も分からず、呆然として二人を見ていると。

 

「今日はこちらにいらっしゃると聞いたので。 探しましたのよ?」

「…別にあなたと話す必要もないでしょう?」

「そうはいきませんわ。 私、お兄さまの代理でもありますし」

「あの件なら、何度言われてもお断りです!」

 

少し興奮気味で、マナミさんに食ってかかるように言うちがやさんを見る。

この様子からしてどうやら仲がいいとは言い切れないような…?

いや、それ以前にちがやさんの態度が剣呑な雰囲気でもあり。

 

「そうは言っても、お母さまとおにいさまの意向もありますのよ?」

「二人が絡んでる以上、ゼッタイにお断りです。 そう、二人にお伝えください!」

 

敵意むき出しでとげとげしく言い放つ彼女を見て、決して良好な関係であるとは言えないと理解し、二人して私たちを嘲笑っていたのかとほんの少しでも疑った自分を嫌悪する。

と、突然マナミさんは私の方を向き、にっこりと笑った。

 

「はじめまして、ですわね。

 京介から聞いているとは思いますけれど、篠原マナミです。 以後、よろしくお付き合いくださいね」

「…はじめまして、紫藤海尋、です」

 

突然振り向けられた言葉に、自分の名前を言うのが精いっぱいで。

そんな私に彼女はスッと表情を消して言う。

 

「…京介は返してもらうわ」

「!?」

 

あからさまな敵意を向け、暗く冷たい声音で言われた言葉は驚愕すべきものだった。

明らかな宣戦布告。

まるで、底なし沼から出てきた手に引き摺りこまれるような…言い知れない不安に私はただ立ち尽くすだけだった―――。

 

 

~ to be continued ~