創作◆同じ香りに包まれて with 本多一磨①★芸恋二次創作短編 | 二次元のカレに逃避中♪

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一磨さんBDストです♪



同じ香りに包まれて with 本多一磨①

 

 

《ダーリンは芸能人》二次創作短編




お正月の特番用収録が始まろうとしている12月下旬―――。

付き合って初めて迎える一磨さんの誕生日のプレゼントに何を送ろうかと、私は未だに迷っている。

メンズ・ファッション雑誌を眺めるも、プレゼントしたいものばかり…なんだけどいま一つ決め手がなくて、決断出来ないでいた。

 

「一磨くんへのプレゼント、まだ悩んでるの?」

 

モモちゃんが私のヘアメイクをしながら聞いてくる。

 

「そーなの。 一磨さんってどんな格好でも似合うだけに難しいんだよね…」

「……」

 

モモちゃんの落とす沈黙を不思議に思い、雑誌から顔をあげて鏡の中の彼を見た。

 

「モモちゃん?」

 

するとモモちゃんは、少し呆れた顔をして、

 

「もー、それ、一番の惚気よ~? 独り身にはツライんだからぁ」

 

と、わざとらしく大きくため息をつく。

 

「あ、そ、その、そんなつもりじゃ…」

「うふふ、冗談よ、冗談。 わかってるわよ。

 それに、肌ツヤがいいのはいい恋愛をしてる証拠だしね」

 

そう言ってモモちゃんが私の頬をツンと突く。

ふたたびからかわれたことに気付いて、顔が赤くなっていく。

 

「も、もう…!」

「でも確かにそうよねぇ、一磨くんってばどんな格好でも着こなしちゃいそうだし」

「あ、うん…」

 

ヘアメイクが終わり、次の仕事までもう少しだけ時間があるというモモちゃんと一緒に雑誌を見ながらあーだこーだ言い合う。

その時、控え室の扉をノックする音がして、モモちゃんが扉を開けた。

 

「あら、おはよう」

「あ、モモちゃんここにいたんだ」

「やほー、海尋ちゃん」

「ネームプレート下がってたからご挨拶」

 

そう言ってモモちゃんの後ろから顔を出したのはWaveの2人、亮太くんと京介くんだ。

モモちゃんから入室を促された二人は、軽い調子でそう言いながら入ってきた。

 

「亮太くん、京介くん、おはよう。

 ごめんね、本当ならこっちから行かなくちゃいけないのに」

「いやいや、女の子は準備に時間がかかるからね、それに暇を持て余してたから」

「一磨じゃなくてゴメンね」

 

からかうような笑みを浮かべた亮太くんのその言葉に顔が赤くなり、思わず頬を押さえる。

 

「もー、またからかう…」

「ホントだよ、京介。 からかいすぎ」

「ちょ、お前が言ったんだろ」

 

二人がテンポよく言い合う。

いつも感じることだけど、彼らの掛け合いはとても楽しい気持ちにさせてくれる。

くすりと笑いながら二人を見ていたその時、不意に手をポンと叩いてモモちゃんが言った。

 

「あ、二人に聞いてみたらいいんじゃない? 一磨くんが欲しがってそうな物」

 

言い合っていた二人が一度こちらを向き、再びお互いに見合わせた後、納得したような表情で頷いた。

 

「あー、一磨の誕生日かぁ」

「でもリーダーってあまり物欲なくね?」

 

それでも二人は、これまでの一磨さんとの会話を思い出しながら様々な提案をしてくれた。

私そっちのけで3人でワイワイやっていたのだけど、しばらくするとモモちゃんは「じゃあ、アタシは次に行くから」と部屋を出ていく。

 この場に残った亮太くんと京介くんはパラパラと雑誌を捲りながら、なおもいろんな提案をしてくれている。

が、亮太くんが突然とんでもないことを言い出した。


「もーさー、海尋ちゃん自身にリボン巻いて『プレゼントはワ・タ・シ』ってやっちゃえばー?」

「でもそれ、大人のカンケイになった後じゃないとドン引きじゃね?」

「いやいや、初Hする前の方が効果バツグンだと思うなー。

 …って、あれ?海尋ちゃん顔赤くない…?」


亮太くんと京介くんの間で交わされる会話のテンポについて行けず、でも何を話しているのかが分かっているから、私は顔を赤くするしかない。

でも亮太くんの提案は、まだキス止まりである私たちにはどうなんだろう…って思わなくもなかったり…。


「あはは、ごめんゴメン。 ちょっと欲望盛りすぎちゃったねぇ」

「あ、あの…っ…、やっぱり男の人ってそーいうの嬉しいものなの…?」

「へっ?」

「えっ、あ、あの…っ…。

 ご、ごめん、何でもない…」


勇気を出して聞いてみたものの、とんでもないことを言ってるのは分かっているからそれ以上は聞くことが出来なくて。

恥ずかしさで俯いてしまったけれど、それこそいまココにいる二人に引かれてるかと思うと顔を上げることが出来ない…。


「…あの、さ、海尋ちゃんたち、とっくにそーいうカンケイになってる、よね?」

「えええっ!?

 そ、そーいうこと、フツー聞く?!」

「だって興味あるよね、京介?」

「なんでオレに同意求めるんだよ」

「だ、だからって…っ」

「うーん、まぁ、真面目な話するとね、オレと亮太ならともかくさ、一磨の場合、その時の関係性によっては逆効果になっちゃう可能性もあるんだよね」

「え…」

「ちょ、僕と京介ならともかくってどういう意味?!」

「そのままの意味。

 …だからどーなってんの?って話」


ふざけた質問であるのは間違いないけれど、亮太くんの提案は、確かに人によっては引かれる内容ではある。

だからそれを実行出来るかどうかを見極めるために京介くんは聞いてきたのかと思うと、多少は真面目に考えてくれてるのかなぁとも思ったり…。


「じ、実は…まだ…なの、そーいうの…」

「えっ、ホントに?! 付き合って半年以上経つよね?!!」

「り、亮太くん、声が大きいよ…!」

「じゃあ、一磨の部屋に来たりは…」

「ま、まだだよ、そんなの!」

「ひぇー…京介じゃ考えられない……」

「だーかーらー、いちいちオレを引き合いに出すなっての」


付き合って半年で未だキス止まりっていうのは、他の恋人たちにとっては希有なことなのだろうか。

私たちは私たちのペースで良いのだとは分かっているけれど、キスよりも先に行きたいというのも本音であって。

気が付いたら私は口を開いていた。


「あのね…次の日がお休みだってコト、言ったりしてるんだけど……」


そこまで言って、ハッとする。

本当なら彼らに相談するような内容ではないのだ。

だけど二人は特にちゃかしていうわけでなく、真面目な表情で応えてくれた。


「なぁんだ、海尋ちゃん的にはOKなワケね。

 じゃあ『お泊まりしたい』ってちゃんと口にしてみればいいじゃん」

「ええっ。

 で、でも、そんな、……私から言っちゃうと、一磨さん引いちゃうかもしれないし…嫌われるかもしれない…」

「そんなコト言われて引くような一磨じゃないって。 だから安心しなよ」


温かく見守るような眼で二人はそう言う。

ほんの少しだけ勇気が出てくる気がした。

その時、京介くんのスマホが着信音を奏でた。


「あー、時間かー。 じゃあ、戻るか」

「リボン巻くのはともかく、上手くいくこと祈ってるよー」

「あっ、あの、二人ともありがとう!」


亮太くんと京介くんはイタズラっぽく笑いながらサムズアップして部屋を出ていった。

結局これといったプレゼントは決まらなかったものの、一磨さんの誕生日には彼の部屋にバースデー用のお料理を作りにいく約束を取り付けることが出来たのだった───。


~ To be continued ~