創作◆真夏の夜の夢 with 中西京介⑧★ダーリンは芸能人・妄想2次小説短編38 | 二次元のカレに逃避中♪

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 Manatsu no Yoru no Yume by 中西京介⑧


             ★


 《ダーリンは芸能人》妄想2次小説短編vol.38












それからしばらくは体の震えが抑えられなかったけれど、部屋に帰ってからもずっと京介くんに抱きしめられてたおかげか、少しずつ震えが治まっていった。


「もう…大丈夫?」

「……うん…ありがとう…」

「……ちょっと腕見せて?」

「腕…?」


男に掴まれた側のパーカーを京介くんが脱がせて、その腕を見てみると、くっきりと掴まれた痕が残っていた。

それを見てあの時の恐怖心がわきおこり、再び体が震え始めた。


「海尋……」


京介くんは哀しげな表情で私をギュッと抱きしめた。

それから、痕になった部分にキスを落したり、ぺろりと舐めたりする。

それがくすぐったくて腕を引っこめようとするけれど、京介くんはけして強くない力でそっと掴み、その痕に沿ってぐるりと一周するようにキスを落し続ける。

まるでその痕を消しゴムで消すかのように。


「きょ、京介くん…もういいよ…もう大丈夫だから…」


そう訴えるように言うと、腕に落ちていたキスが今度は唇に落ちてきた。

まるで宥めるかのように、両方の手のひらで私の頬を挟み、ちゅ、ちゅとリップ音を鳴らしながら。

それがくすぐったくて、でも、京介くんが私を落ち着かせるためにしてくれてるのがしっかりと伝わってきて嬉しくなる。

おかげでかなり気持ちが落ち着いてきて、一磨さんから夕食のお誘いの連絡が入ると、シャワーを浴びて二人でレストランへ向かった。




レストランには既に全員が集まっていた。

みんな心配そうに口々に大丈夫かと尋ねてくれる。


「うん、大丈夫。 とりあえず、落ち着いたから」


そういって笑顔を見せながら返事する。

席に着くと、一磨さんがホテル側に抗議をした話をし始めた。


「ホテル側には言っといた。 謝りっぱなしだったよ。

 ただ、実は、1週間後のお祭りの関係で島全体でプライベートビーチへの侵入監視が少し緩くなってるんだって」

「えーっ、それじゃ、セキュリティのしっかりしたホテルにした意味ないじゃん…」

「そうなんだよね…。

 でもそういう状況らしいから、とにかく、絶対に海尋ちゃんが独りにならないようにしよう」


でも、せっかくみんなオフを楽しんでるのにと言おうとしたけれど、京介くんに


「大丈夫、ずっとオレが側にいるから」


と力強い答えが返ってきた。

しばらくしてやってきた料理に舌鼓を打ちながら堪能する。

今日のお夕食も、繊細な日本料理とは違ってダイナミックな感じのする、この島名物のものだ。


「んー、おいしーぃ」


一口食べたシュラスコ料理のようなお肉が本当においしくて、心からの笑顔になる。

さっきまでの恐怖心が完全に跳んでいってしまったくらい、幸せに感じる。

そんな私を見て、翔くんが言った。


「海尋ちゃんって、おいしいものには本当に幸せそうな顔するよね」

「んっ?」

「そんな顔見れたら、シェフたちも嬉しいだろうな」


口々に言われて少し恥ずかしいけれど、でも、美味しいものを食べられる幸せに心が満たされる。

―――私ってホントに単純に出来てる…。

そう思いながら、次々とくるお料理を完全に食べきってしまう私だった。




食事が済んで、部屋に戻るまで少しの間、みんなでおしゃべりをしていた。

その途中、京介くんの携帯が電話着信音を鳴らし、電話の相手を見た彼は


「ごめん、仕事の電話。 海尋、みんなと一緒にいて」


と席を外していった。

お腹が落ち着いてきた頃、何かカクテルを飲もうということになり、翔くんと一磨さんがカクテルカウンターへ注文をしにいく。


「海尋ちゃん、どうぞ」


そう言って戻ってきた翔くんが差し出してくれたのは、シャンパンのような、淡い桜色のカクテルだった。


「わぁ……キレイ」

「女の子でも飲みやすいものをって作ってもらったんだ」

「へぇ……、何て名前なの?」

「えーっと……あははっ、聞いたけど忘れちゃった」

「じゃ、乾杯しようか」


みんなとグラスを傾けて、ひとくち、こくりと飲んでみた。

ほんのり甘くて、微炭酸で後味がすっきりしている。

「翔くん、これ、おいしいっ」

「よかったー」


それから一口また一口と飲んでみる。

元々そんなにアルコールは強くないのだけれど、お酒だと感じさせない味わいのせいかふっとグラスを見たときは半分くらいなくて―――。


「…っ!?」


心臓がドクン…と跳ねた。

ペースが早かったのかと思うと同時に身体中が火照り出し、徐々に体の奥深くが熱を持ちだして―――。


「……ふぁ…っ」


そんな変な声がもれ、慌てて口を押さえる。


「海尋ちゃん?」


私の異変に気付いた翔くんが声を掛ける。

大丈夫だと言おうにも頭がクラクラし出して、言葉にならない。

その間にも、下腹部に熱が集まるような感覚に襲われていく……。


「熱…い……助け……京…」


ようやくそれだけを声にすると、私の意識が薄くなって―――。



~ to be continued ~