日銀は2024年3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除を決めました。政策金利を引き上げるのは17年ぶりです。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃も決めました。2013年に始まった大規模な金融緩和策は転換点を迎えました。

日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決めた。マイナス0.1%としていた政策金利を0〜0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げた。長期金利を低く抑え込むための長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)や上場投資信託(ETF)などリスク資産の買い入れ終了も決めた。日銀の大規模緩和は大きな転換点を迎えた。

(号外)マイナス金利解除


岸田文雄首相は19日、日銀がマイナス金利を含む大規模緩和の解除を決めたことについて「前向きな経済の動きをさらに確実にする観点から、緩和的な金融環境を維持するのは適切だ」との認識を示した。首相官邸で記者団に語った。

デフレ脱却宣言に関しては「総合的な判断をしなければならない。デフレからの完全脱却と新たな成長型経済への移行に向けてあらゆる手段を総動員していく」と説明した。

政府と日銀が2013年に出した共同声明(アコード)の見直しは「現時点で考えていない。政府と日銀は引き続き緊密に連携していかなければならない」と強調した。


住宅ローンどうなる? 変動金利の急な引き上げに配慮

編集委員 清水 功哉

2024/3/19 12:57 [有料会員限定]

日銀が19日、ついにマイナス金利政策の解除を決めた。一般の生活者が最も気にするのは変動型住宅ローン金利への影響と考えられるが、日銀の決定からは、既に借りている人にとって重要な基準金利の引き上げが広がらないようにする配慮が見て取れる。


政府、「脱デフレ」宣言へ環境整備 生産性底上げ急ぐ

2024/3/19 19:42 [有料会員限定]

日銀はマイナス金利政策の解除を決めたが、政府はまだデフレからの完全脱却を判断していない。「再びデフレ状態に戻る見込みがないこと」などの条件を満たしていないとみているためだ。政府が物価高対策のような対症療法的な対策を手じまいし、人手不足の緩和や規制改革など生産性の底上げに軸足を置けるかが試される。


日銀「脱マイナス金利」も円安進行 一時150円台に下落

佐伯遼、神山美輝

2024/3/19 13:52 [有料会員限定]

19日の東京外国為替市場で円安・ドル高が進み、2週間ぶりに一時1ドル=150円台を付けた。同日まで開いた金融政策決定会合で日銀がマイナス金利政策の解除を決定した。17年ぶりの利上げで通常であれば円高要因にも思えるが、膨らんだのはむしろ円売りだ。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退するなか日銀が追加利上げ方針を示さなかったことで、円売り・ドル買いに安心感が強まっている。

午後0時35分、日...