■ 先週、P&Oフェリーは800人の従業員を事前予告なく解雇。これに対し組合大手RMTはP&Oが英国の最低賃金より遥かに安い賃金で海外の労働者を雇おうとしているとして非難の声を高めている。英各メディアが報じた。
P&Oはインド人の船員を調達し、解雇した800人の穴埋めをしようとしているといい、その時給はわずかに1.81ポンドと見られている。ちなみに3月22日現在、英国での23歳以上の最低賃金は8.91ポンド。RMT書記長マイク・リンチ氏は「これは衝撃的な搾取であり、痛烈な裏切りだ。政府はこの5日間、何もして来なかった。手遅れとなる前に介入すべきだ」と政府を強く批判した。

しかし、英国以外で登録された海運会社は、英国の雇用法適用外となるため英国の最低賃金が義務付けられることはない。P&Oはフェリー数隻をキプロス島で登録していると言われる。

リンチ氏は「英国の雇用法の脆弱さが英国籍の船員の大量解雇を可能としただけでなく、有効な制裁がないことも雇用主の暴走を助長した」と続けた。P&OはRMTが発表した時給は正確ではない、としているが代理店が船員にいくら支払うかの明言は避けている。