<イスラエル🇮🇱は人質解放を求め、帰還なくば軍事作戦の強化の姿勢>
(CNN) イスラエル戦時内閣に参加しているガンツ前国防相は18日、イスラム組織ハマスに拘束された人質がイスラム教のラマダン(断食月)までに帰還できなければ、パレスチナ自治区ガザ南部ラファでの軍事作戦を拡大すると警告した。
<イスラエル軍はガザ地区の最大の病院を攻撃…>
(CNN) 世界保健機関(WHO)は、パレスチナ自治区ガザ地区南部のナセル病院がイスラエル軍の攻撃を受けて機能不全に陥ったと発表した。ナセル病院は、ガザ地区で残って機能し続けていた中で最大の病院だった。
<アルジェリアは…安保理に人道的停戦を求める可能性が…米国は拒否権を行使する構え>
(CNN) 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、もしアルジェリアがパレスチナ自治区ガザ地区の人道的停戦を求める決議案を国連安全保障理事会に提出した場合、拒否権を行使する構えを示した。
<米国は安保理の決議案として、イスラエルとハマスとの戦争を一時的な停戦を求める内容を発表>
ニューヨーク(CNN) 米国が国連安保理の決議案を提出した。パレスチナ自治区ガザ地区で起きているイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦争を巡って一時的な停戦を求める内容。イスラエル軍によるガザ南部ラファへの地上侵攻に対しても警告を発している。
ラファには今回の紛争を通じて家を追われたパレスチナ人数十万人が避難している。
米国はこの草案に先駆け、即時停戦を求めたアルジェリアの決議案に拒否権を行使すると発表していた。安保理はこの決議案の採決を20日午前に行う予定。
CNNが確認した米国の決議案では、「ガザでの一時的な停戦を実現可能な限り早急に行う」ことを求めている。ただ他の安保理構成国の大半が希望する即時停戦までには踏み込まなかった。
国連安全保障理事会で20日、パレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦を求める決議案の採決があり、アメリカが拒否権を行使したため否決された。決議案は非常任理事国のアルジェリアが提案した。理事国15カ国のうち日本を含む13カ国が賛成し、イギリスは棄権した。アメリカのリンダ・トーマス=グリーンフィールド国連大使は、イスラム組織ハマスとイスラエルの交渉が続いており、今は即時停戦を求める適切な時期ではないと主張。決議案は戦争終結の話し合いを「危うくする」とした。アメリカは独自の決議案を提出。その中で、人質全員の解放を条件に「実行可能な限り速やかな」一時停戦を求めるとしている。また、ガザ南端の都市ラファを侵略しないようイスラエルに警告。ガザ支援の障壁が取り払われることも求めている。アメリカはこれまで、国連決議をめぐって「停戦」の言葉を使うのを避けてきた。しかし最近は、ジョー・バイデン大統領も発言を変化させている。安保理がアメリカの決議案を採決するのか、するならいつなのかはともに不明。こうしたアメリカの動きは非難されている。アメリカの友好国なども、当初の停戦決議案をアメリカが阻止したことに遺憾の意を表明している。アルジェリアのアマール・ベンジャマ国連大使は、「パレスチナ人に強いメッセージを送るはずだった」とし、「残念ながら安保理はまたしても失敗した」と発言。「自らの良心を、歴史がどう評価するかを、吟味すべきだ」と述べた。パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連大使は、アメリカの拒否権行使を「完全に無謀かつ危険」と批判した。厳しい批判は、イスラエルやアメリカの友好国からも相次いだ。フランスのニコラ・ド・リヴィエール国連大使は、「現地の惨状を考えると(決議案が)採択されなかったのは」残念だとした。しかし、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「すべての目標を達成するまで戦争を続けると約束する」と語気を強めた。そして、「いかなる圧力も、なにものも、これは変えられない」と付け加えた。アメリカは、イスラエルの壊滅的な作戦の抑制のために影響力を行使するよう、国際社会から大きな圧力を受けている。戦争が始まってからこれまでは、多くの場面でイスラエルの自衛権を強調してきた。安保理決議は総会決議と異なり、法的拘束力があり、イスラエルも従うことが求められる。■米政策の大きな転換との見方アメリカがガザでの一時停戦を国連で呼びかけるのは、今回の決議案提出が初めて。これまでは、この言葉を使った決議案に拒否権を発動してきた。バラク・オバマ政権で中東和平の特使を務めたフランク・ロウエンスティーン氏は、米政策の「かなり大きな転換」だとBBCに話した。「私が最も大きいと思っているのは、これがネタニヤフ首相とイスラエル政府に対して抱いているバイデン政権のいら立ちのレベルを示していることだ」、「人道支援や民間人の犠牲を減らすことに関して、イスラエルは一貫してアメリカを無視してきた。そして今、アメリカが強く反対するラファ侵攻に乗り出そうとしている」。ロウエンスティーン氏はまた、バイデン氏がアラブ系アメリカ人から、パレスチナ人殺害をやめさせるようもっと行動すべきだと圧力を受けているとも指摘した。一方、イスラエルの駐米大使を務めたマイケル・オレン氏は、アメリカの停戦決議案は「イスラエル政府にとって問題になるだろう」とBBCの番組で述べた。オレン氏によると、人質解放交渉と関連づけた一時停戦は「ハマスに大きな交渉力」を与え、ハマスが無期限に「交渉を引き延ばす」可能性があるという。「イスラエルのどんな政府であろうと、そうした条件は飲まないだろう。ハマスが戦争に勝ち、イスラエルが負けることになる」■ラファ侵攻に対する警告アメリカの決議案は、ラファでの大規模な地上攻撃について、民間人の被害を拡大し、近隣諸国(エジプトを指す)への移住を引き起こすとしている。ラファにはガザの人口の約半分となる100万人以上が避難している。国連は、イスラエルによるラファ攻撃は「虐殺」につながる可能性があるとして、独自の警告を発している。また、空爆で女性や子どもが殺され続けているとしている。イスラエル軍はこれまで、ハマス戦闘員だけを標的にしていると主張している。イスラエルの戦時内閣で閣僚となっているベニー・ガンツ前国防相は、ハマスが3月10日までに人質全員を解放しない限り、ラファ侵攻作戦を開始すると表明している。この日はイスラム教の断食月(ラマダン)の始まりに当たる。イスラエルは、昨年10月7日にハマスの武装集団がイスラエル南部を襲撃し、約1200人を殺害、240人以上を人質に取ったことを受け、ガザでの作戦を開始した。ハマスが運営するガザ保健当局は、イスラエル軍の作戦によってガザではこれまでに2万9000人が殺害されたとしている。(英語記事 US vetoes call for immediate Gaza ceasefire at UN)
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