さて今年度2本目です。

今作はイギリス人作家のフィリップ・プルマン作の三部作のファンタジー小説「ライラの冒険」

第1部「黄金の羅針盤」 (1995年) 、第2部「神秘の短剣」 (1997年) 、

第3部「琥珀の望遠鏡」 (2000年) の第1部を実写映画化したものです。

$とむとむのブログ

2008年公開のアメリカの作品です。

監督は最近では『ニュームーン・トワイライト・サーガ』でもお馴染のクリス・ワイツさんです、

今作までは兄のポール・ワイツさんと共に『アバウト・ア・ボーイ』などを手がけています。

(因みに『アバウト・ア・ボーイ』は好きな作品です。)

お話はこことは違うもう一つの世界(パラレルワールドですね)

人々の魂がダイモン(動物)として存在する場所

世界は教権に支配され、魔女の国やヨロイグマが住む世界で始まります。

まず真理計(アレシオメーター)=黄金の羅針盤とは過去の支配者たちが真理を隠すため

過去にそのほとんどが壊させたモノであり唯一残った『黄金の羅針盤』がライラの手元にあります。

羅針盤は大きな懐中時計の様な形をしており、三本の針を合わせることで

真実を教えてくれます。しかし当然誰にでも見ることが出来る訳ではありません。

魔女の「予言の子」であるライラにしか扱う事が出来ないものです。

次に『ダイモン』の説明です、この世界では魂はそれぞれ肉体の中に宿っていますが

彼らの世界では魂は『動物』の姿をしています。主人公ライラの場合は・・・

ここがミソなんですが子どもはダイモンの姿が定まっていません

よって少女ライラのダイモンは名前をパンタライモン(通称パン)といい、スズメだったり

フェレットだったり、ヤマネコだったり、鷹だったりと、何にでも姿を変えることが出来ます。

大人になってしまうとそうはいかない様で、猿の人は猿だけ、狼の人は狼だけの様になります

勿論そのかわりダイモンの姿も大きくなり力強くもなっているようですが。。。

jojoの奇妙な冒険シリーズをご存知の方はスタンドみたいなものと考えて頂くのが

分かりやすいかと思います。だいたいスタンドと一緒です、ダイモンの首を締めれば

本体の人間も苦しむし、遠くに離れることは出来ません(例外はいますが)。

そして今作の悪役と言ってもいいでしょう教権の狙いは・・・裏でゴブラーという組織を使い

ダイモンが不安定な子どもたちからダイモンを『切り離す』事。

更に今作のキーワード『ダスト』の存在を完全に世界から消滅させる事です。

『ダスト』についてはハッキリとした説明も無く原作を読んでいない人間にとっては

なんだか良く解らないもの、で終わってしまいがちかもしれませんが

なんとなくまた別の世界とのつながりを意味しているんじゃないのかな?と感じました。

ライラの冒険は『ダスト』を含む世界の真理を解き明かすための旅だと思うのですが・・・

実はこの映画、原作は3部作ですね、映画の1部の終わり方もこれからを予感させてくれる

様に出来ていました、しかし調べてみると2部以降の制作は断念されています。

何故でしょう?原作の本国であるファンタジー大好きイギリスでは公開3日間の成績が

約18億円で『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』の成績を超えています。

日本でも70万人超の動員で、8億超の興行収入。悪くないかと思うんですが・・・

問題は北米にあったようです、興行収入が振るわなかったのは北米カトリック連盟が

「子供に対し無神論を奨励する映画だ」などとしてボイコット運動を展開したようです。

2008年に金融危機の為?として続編の延期を発表していましたが、

2009年には正式に続編の断念が発表されてしまいました。

要するに北米カトリック連盟の圧力に屈した形で断念せざるをえなかったという事ですね。

ライラは真実を求め教権の闇権力に立ち向かい仲間と共に戦っていくお話でもあるのに

現実世界ではこうもあっけなく。。。なんとも皮肉なお話ですね。

しかしそういうものが見えてしまうのは実に残念です、表現の自由も夢も無い

受け取る側の自由までも捻じ曲げられてしまう、そんなことしてたらほんとに悪者になるのに

そんなことにも気づけない彼らの想像力を奪ったのはどんな教えなんでしょう?アイロニック。。。

さて残念なお話はともかく、このお話にはヨロイグマという白クマくんが出てきます

イオレク・バーニソンという素敵な名前まであります。

ライラが彼を呼ぶたび「私を守って!イオレク!イオレク・バーニソン!!」とフルネーム連呼で

なんだか言いにくそうで笑ってしまいました。。。

彼が最初に登場するのはライラとその仲間のジプシャンたちが港町に滞在していた時

ライラにリー・スコーズビーという気球乗りのおっちゃんから「ヨロイグマを仲間にしろ」と

助言されて、酒場裏のソリ発着所で働いているイオレク・バーニソンに会いに行きます。

彼に最初に会った時、彼は町の人間に機械修理の仕事をさせられていました。(器用さん!)

報酬は酒(ウイスキー)です。白クマが飲んだくれています。かわいいです。

そんなイオレクは彼の魂ともいえるアーマー(ヨロイグマだけに)を

だまし取られた上に教権の支部に隠されてしまっていました。

ライラはその事実を黄金の羅針盤を使いイオレクに告げます

イオレクは感謝の言葉を口にしてライラに忠誠を尽くす約束をします。

「お前の為に戦おう!俺が死ぬか、お前が勝利をつかむまで」。。。

かっこよすぎだぜ!さっきまで飲んだくれてたくせに。しかもクマの王子様だったなんて!!!

三国志でいうと関羽みたいなやつです、男義に溢れ、思いやりがあります。

そんなイオレク・バーニソンが大好きでした。

ジプシャンと気球乗り、ヨロイグマまで仲間に迎え旅は続きます。

最後の大決戦は圧巻です、ゴブラーにより捕らわれた子どもたちを基地から開放するライラ

その前に立ちはだかる傭兵の軍団、オオカミのダイモンでライラ達に攻撃を仕掛けた瞬間

そこにはイオレクの姿が!そのデカイ図体でどうやって一瞬のうちに姿を現したんだ?

などど突っ込みを入れる間もなくイオレクは単騎で敵陣に突撃していきます!

魏軍陣内で暴れまわる趙雲の様です(また三国志。。。)

しかし当然イオレク一人ではどうにもなりません、兵を分断して子どもを捕えに向かって来ます

と、そこへ空からの援軍が!なんと魔女です。期待はしていましたが予想はしていませんでした

(って事にしておきましょう。)しかし多勢に無勢のイオレクが縄に捕まりピンチです!

と、そこに気球に乗ってリーがやってきます、それを見たライラは彼にイオレクの援護を頼みます

リーのライフルにより再びイオレクは体の自由を取り戻し以前にも増してバッタバッタと敵を

なぎ倒していきます。こうした一進一退の攻防もジプシャンの軍勢が到着する事により決します。

こんなに仲間が多いとうれしくなりますね。とにかく迫力の戦闘シーンでした。

ラストシーンは気球に乗り新たな船出的な演出をしているんですが続編制作が断たれてしまった今

なんとも言い表し様の無い感じになってしまったのが残念でしょうがありません。

いつか続編が映像化される事を願います。