◆ 昨日の答え (100時間)
「医師による面接指導制度導入」
17年秋の国会で労働安全衛生法が改正されたことを受け、18年1月には改正安全衛生規則が公布されました。その中には、過重労働・メンタルヘルス対策として創設された面接指導制度が含まれており、従来は行政指導(「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」)に基づいて実施されていた対策が、各事業場において法の下に取り組むことが義務づけられました。
まず対象者としては法的な義務を負うのは「休憩時間を除き1週間当たり40時間を越えて労働させた場合におけるその超えた時間が1ヶ月当たり百時間を超え、かつ、疲労蓄積の認められる者」(安衛則第五十二条の二)とされています。また面接指導の実施は「労働者の申出により行う」こととなっています。まずこの2つの条件がそろった労働者に対し医師による面接指導を行うことが義務付けられます。
さらに、時間外労働が百時間を超え疲労蓄積がある労働者以外にであっても健康への配慮が必要なものに対しても、必用な措置を講ずるように努めるように定められており(努力義務)、実際には事業場において自主的に基準を作成して、法的義務のある労働者と同様の対応をしていかなければなりません。
これらの対象者に対し、医師が面接指導を行うことになりますが、その医師は産業医に限られてはいません。もちろん、産業医を選任している事業場においては産業医が実施することが望ましいことは健康診断の事後措置と同様ですが、面接指導の仕組みの中で疲労蓄積の評価から検査・診察に至るまでの部分を外部の医師に委託し、評価・判定や事業者への意見といった事後措置の部分のみを産業医が行うという方法も想定できるでしょう。なお、50人未満の事業場におけるこの面接指導制度の適用は、平成20年度からとなっており、2年後のスタートとなりますが、その実施にあたっては、地域産業保健センターの関与が期待される。
◆法律は義務付けをしていますが、実体経済の現状では、中小企業は生きるか? 死ぬか?の環境下におかれています。自殺者数の年間3万人以上の更新には、現状の実体経済では、明るい材料がないと言えます。そして、この改正点も、すでに形骸化している点が、立法と実体社会で生活する現実との乖離を物語っています。
マズローの欲求5段階説からもわかるように、いまの私たちは、べースとなる第一段階の生存欲求が、雇用の不安定により満たされていないので、非常に失業に対してのストレスがたまった社会になっています。これでは、第2段階の安全欲求も担保できない警鐘を鳴らす社会です。
