私のなかのもうひとつの人格が
とうとう私を侵略した。
私というひとつの人格は崩壊し、わたしというひとつの人格が勝利の旗をたてた。
っていうか理解してもらおうとするのがおかしいのよ馬鹿ね。いつだってあんたは私のこと分かってなかったわよ微塵も。だから私あんたに説明するの何度も何度も私こうじゃなきゃ生きてる心地すら感じないのよ私はこういう人間なのよって。それでもあんた分かってなかったわ。なんであんたがそんなカラスの死骸を見たあの後味の悪さを感じたような顔してるのどうしてさも私が悪いみたいな顔をするのねぇどうしてあんたいつも私のこと大事にしてたの。あのねあんたのその仕草やその笑い方とか、いつもいつも許せなくてでもあんたが好きだからとにかく知らないふりしてたのそれなのに。あんたが許せなくて それでも好きで仕方なくてだけどできるなら消してしまいたい記憶なの。
こうやって苦しんで苦しんで言葉になる吐瀉物はいつだって他人を幸福にはしないわそれでも私は幸福を信じてやまずに毎日毎日愛おしい名を呼んで、そして自己嫌悪の味のする飴を舐めながら毎日毎日掴めない雲を掴む夢を見る。