もともと恋なんてガラじゃない
好きとか言われると居心地悪いし
ふーん…って、安っぽい言葉にやさぐれる
簡単に出る言葉なんか欲しくないのになあ
だからご主人さまを好きだと自覚したとき
盛大に混乱した
そんなばかな
好きとかありえない
こんなのいやだよー
じたばたしながら好きになってしまった
好きになったらこころが丸裸になった
はじめての感覚
こころもからだも全部無防備になった
好きになるって丸裸で無防備になることだと知った
ご主人さまに対して無防備になった
そしてたぶん、怪我を負った
いたいなあ、って思った
好きになるのは丸裸で無防備で痛いことだと知った
痛いのは嫌
これはきっと本能
痛みは危険信号
危険だから痛むのだ
だからもし
また懲りもせずにガラにもなく恋をしてしまうなら
垂れ目じゃない人がいい
背はあまり高くなくていい
白髪混じりじゃない人がいい
痩せてる人がいい
ヒゲが濃くない人がいい
ニンニク増し二郎が好きじゃない人がいい
スキーが下手くそな人がいい
歌が下手くそな人がいい
ゴルフが上手な人がいい
手が大きくない人がいい
タバコは吸わない人がいい
私をわんわんと呼ばない人がいい
痛みを思い出したくないから
そんな人がいいんじゃないかな、と思う。
垂れ目で白髪混じりで背が高くてちょっと太めでヒゲが濃くて二郎が好きでスキーが上手で歌が上手でゴルフが下手で手が大きくてセブンスターを吸うご主人さまがいい。
ご主人さまがいい
ご主人さまがいい