ご主人さま、電車に乗ってからわんわんに背中向けて座席に座ってた。
振り返るような格好でこっちを向いて手を振ってくれてた。
わんわんはたぶんキョドってた。
奥歯を噛み締めて、視線はさまよってたとおもう。
まっすぐにご主人さまを見られなかった。
あちこちさまよう視線を時々ご主人さまに向けるのが精一杯だった。
電車が動き出して、ご主人さまは手を振るのを止めて前を見た。
わんわんからはうしろ姿しか見えなくなった。
やっとまっすぐご主人さまを見ることが出来た。
グググって歪んだ表情をしてる自覚があったから、まっすぐ見られなかったんだ。
うしろ姿なら、ヘンテコな顔で見てても大丈夫。
ご主人さまからは見えないだろう。
ご主人さまのうしろ姿が頭から離れない。
はなれない