気付くといつも、両手で頬っぺたに触ってた。
手の平で包むようにして、左右の頬っぺたに触ってた。
「なんで顔に触るの?」
そう聞かれた時に、ああ、いつも触ってたなあ…って意識した。
言われてみれば確かに、いつもいつもご主人さまの頬っぺたに手の平を当ててた。
なんでだろ?
一瞬そう思って、すぐに(ああ、そうか)って判った。
私の手がご主人さまの頬っぺたに伸びてく時は愛しい時。
愛しくて胸がいたいとき。
ご主人さまの腕の中でもがきながら、
腕を伸ばして頬っぺたに触れてた。
両手の平で包むみたいに触ってた。
「…わからない」
すきだからよ。
そう思いながら、わからないと返事をした。
(ちょっと考えてみたら、両手で頬っぺたに触ったのはご主人さまが初めてだ)