前の日と同じような快晴でものすごく暑い。
夏の太陽は遠慮って言葉を知らないみたいだ。
「伊勢神宮混んでるかなあ」
「たぶん。まあ、この時間なら大丈夫だろ」
「…うん」
「ちゃんとお願いしなよ」
わたし…何をお願いすればいい?
まだ何も判ってない。
思い付かない。
「…誰でも良かったって、ホント?」
「ん?」
「…子供」
「誰でもっていうか、この人とならいいかって思える相手としかしてないから(笑)」
「ああ…うん」
「一年後だったら○子が1番危なかった(笑)」
「わたし?なんで?」
「○子と1番シテるから(笑)」
「そうなの?月一か…二ヶ月に1回くらいしか会ってないよね?」
「他の人もそんなもんだし」
「うん」
「それに、○子は会うと2、3日続くことが多いだろ」
「あ…うん」
「だから回数は1番多い(笑)あと○子は」
「ん?」
「鉄砲玉だ。離婚したら今より来るだろ?(笑)」
「あはは」
「で、もっと回数が増える、と(笑)」
○子が好きだから、なんて理由じゃないとこが、妙なリアリティ。
(一年後…かあ)
なんで1年待っててくれなかったの?
…そんな安っぽい言葉が頭の隅を掠めて行った。
(待つ理由が無いから、に決まってんじゃん)
だって、わたしじゃなくても良かったんだから。
「わたし…焦ってた」
「え?」
「早く離婚しなきゃって思ってた。○○さんが子供欲しがってるの知ってたから」
「ああ(笑)」
「時間が無いって思ってた。自分の年も○○さんの年も」
「うん」
「作りたいって思っても、すぐ出来るか判らない…生理が来るたびに無駄にしてる気持ちだった」
「…そういう決断は、1年くらいでしなきゃ」
何を根拠にご主人さまが1年って言ったのかは判らない。
知り合ってもう少しで3年。
…ようするに、決断が遅いって言われたのだ。
それだけは判った。
いろんなことが頭の奥を過ぎって行った。
夫が全く帰ってこないこと
夫のきまぐれで夫の実家の自営業をしょったこと
慣れない書類を寝ずになんとかしてたこと
赤字をどうしていけばいいか判らなかったこと
(夫は赤字でいいとしか言ってなかったのだ)
なんとかしなきゃって頑張ってるのに暴言を浴びせられたこと
言いたいことを言うだけで、自分は徹夜でゲーム三昧
あまり言わないようにしてたけど、時々はポロ…と不満が零れた。
そのたびに「なんで離婚しないの?」と聞かれた。
「それ1つだけで十分離婚原因だろう」とも言われた。
でも離婚しなかったのは、わたしだ。
きっとジワジワと我慢に慣れていて、
もう限界だ…というポイントを見失っていたんだ。
(…それでも…)
離婚しなかったのは、わたしなんだよなあ…