そろそろチーズケーキが焼けるはず。
これだけは、すこぶる付きで評判がいい。
…って、友達とかにだけどね(笑)
ケーキ屋さんのじゃなくて○ちゃんのチーズケーキがいい!って子供がうるさいのよ~
…なんて言われちゃったら、単純だから張り切って焼くのよ(笑)
もっとも、いま焼いてるのは頼まれものじゃなくて単なる気まぐれだけど。
上手に焼けたら誰かにおすそ分けしてもいいし、
もちろんご主人さまにも食べてもらいたいし。
ああいい匂い。
見た目は美人に仕上がってきてる。
どこにお嫁に出そうかな、このケーキ(笑)
そうだ、お風呂もお湯落としとこ。
まだシャワーじゃちょっと肌寒いかも、だし。
バスルームでお湯を落として、またキッチンに戻ってきたらチンって音がしたとこだった。
時間が経つとギュッと締まるベークドチーズケーキも、
まだ焼きたてでほわほわゆらゆらしてる。
「あれ?ケーキ焼いたんだ」
「おかえりなさーい」
「シャワー」
「お風呂入れるよ。お湯落としたから」
タオルで髪をガシガシ拭きながら、ご主人さまが戻ってきた。
ちょっと口唇が青いや。お風呂正解。
「今日はオープンの日か?(笑)」
「わかんない」
「ケーキ焼いてるじゃん」
「食べる?」
「いらない」
「もー」
ご主人さまは甘いものが好きじゃない。
それ知ってて聞くんだから、断られるの前提の言葉遊びよ。
「やる気なくなった」
「元々やる気ないくせに、人のせいにしない」
「ばれた(笑)」
あははって笑いながら、お風呂に向かったご主人さまの着替えを抱えた。
「背中流そうか?」
「お断り」
「えーー」
「背中流すだけじゃなくて、エッ/チなことしようとするから」
「ばれた(笑)」
「犬の考えなんてバレバレ(笑)」
意地悪~、ってブーブー言って、ケタケタ笑ってたらすぐに出てきた。
くっつこうとしたら「濡れるよ」って笑われた。
「濡れたーい」
「…また何か考えてる」
「ばれたー(笑)」
「判りやす過ぎる(笑)」
キッチンに戻ると、ほわほわゆらゆらなチーズケーキが締まってしぼんできてる。
しぼんできてるけど、まだ冷めきってなくて温かいはず。