まだ妄想してた | 夢 出会い 魔性

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日記だったり思い出だったり願望だったり不倫だったり。




また寝ちゃうかなあ…って思ってたら、
ご主人さまはトイレから寝室に向かわないでキッチンをひょこっと覗いてきた。


「コーヒー」

「うん」

「インスタントでいいよ」

「出来てるよ」

「やる気ないくせに(笑)」

「あはは」


笑いながら、ゆうべ仕込んでおいた水出しコーヒーを冷蔵庫から取り出してみる。

お店はやる気なく営業してるけど、ご主人さまには美味しいコーヒーを用意したいじゃないさ(笑)

コーヒーを温めてる間に、ご主人さまはなんだかガタガタ支度を始めた。

あ、そっか。波が出てるもんなー。


「ちょっと行ってくる」

「はーい」


香りを飛ばさないように、ぬるめに温めたコーヒーをごくごく飲んで、
いいこと思い付いた子供みたいな表情のご主人さま。


(意外と、いいカッコしいなんだからなー)


人が少ない時間に練習したいんだわ、きっと。
やってみよっかな~、程度で始めたサーフィンをね(笑)

セブンスターをぎゅうぎゅう灰皿に押し付けて、
ひらひら手を振っておうちを出てく。

ご主人さまは海に行っちゃったし(目の前だけどね)
作りかけのチーズケーキを焼いてしまおう。


オーブンに入れてしまうと、とりあえずやる事なし。

窓開けて空気入れ換えよ。
あ、ついでにお店も。
いくらやる気のないお店でも、それくらいしとこう(笑)

お店のドアと窓を全部開けて、テラスのテーブルなんて拭いてみたり。

せっかくだから、ここでコーヒー飲もう。
うん、ちっちゃい贅沢だわ。


テラス席に自分用のコーヒーと灰皿を持ってきて椅子をがたがた引いた。

ここからだとご主人さまが良く見える。

マンガかなんかだったらカッコ良く波に乗ってるんだろうけど、
まだ始めたばかりのご主人さまにそんなこと出来るはずない。


(あ…あ…あ…あーあ)


様子を見ながらくすくす笑ってたら、ご主人さまがこっちを向いた。

手を振ってくれてる。

……と思ったら違った。
あっち行け、シッシッてしてるんだあ(笑)

きっと見られてるのが恥ずかしくてバツが悪いんだ。


そう気付いたけど、気付かないフリしちゃおう。

にこにこ笑って、手をパタパタ振り返しちゃおう。

あー……ご主人さま、わんわんをテラス席から追い払うの諦めたみたい。

ちょびっと苦笑いして、こっちにクルリと背中を向けた。



始めたばっかりなんだもん、下手っぴでいいじゃない。

下手っぴでも楽しそうなご主人さま。

楽しそうなご主人さまを見てると、わんわんは嬉しくなるんだから。


だから
だから


見てても、いいでしょ?