会いに行く【2】深夜の電話 | 夢 出会い 魔性

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ご主人さまに電話して、埼玉に用事があるのか聞いた。

無いってお返事。


「じゃあわんわんが行く~」

「どこか行きたいとこある?」

「…思いつかない」

「せっかくこっちに来るんだから、どこか行きたいとこないの?」


すごく困った。
わんわんはご主人さまに会いたいんだもん。
つまり、目的はご主人さま。

1番の目的がハッキリしてるのに、
それ以外のことなんて思い付かないよ。


「……だもん」

「え?なに?」

「○○さんに会いに行くのが目的だもん…」

「それは判ってるけどさ(笑)」


恥ずかしくてハッキリ言えなくて、
口の中でゴニョゴニョ言ってることに「それは判ってる」って言われてしまった。

なんだか恥ずかしさの二乗な感じだ。


「行きたいとこ、わかんない」

「このへんは何も無いからなあ」

「なおさらわかんない」

「大阪でも行く?」

「大阪行ったことない」

「行きたい?」

「うん。通天閣?なんかごちゃごちゃしたとこ」

「行くか(笑)」

「でも大阪遠くない?」

「日帰りで遊べるよ」

「わんわん、そっちに着くの始発でもお昼過ぎるよ」

「新幹線使っていいから」


…新幹線使っていいって、変じゃない?

わんわんはビンボー犬なので、普通の電車で行くつもりだった。

始発に乗ってお昼過ぎに着くって言ったから、
ご主人さまも、わんわんが普通の電車で来るつもりだって判ったんだと思う。

で、「新幹線使っていい」

…これはきっと、新幹線代は出すからって…こと…かな。

出してくれるの?って聞くのは変だし、
出すって言われてないのに「そんなのいいよ」って言うのはもっと変。


「うん、じゃあ新幹線で行くね。そしたら10時前に着く」


少しだけグルグル考えたけど、他にお返事のしようがなかった。

じゃあ明日ねって電話を切ってから、慌ててお出かけの準備。

やっと準備が終わったのは、3日の午前3時くらい。




1時間くらい寝て、起きてから髪をくるくる巻いて、
朝の5時過ぎに自宅を飛び出した。