きもちよくて顔を歪めている私は不細工で誇らしげ。
きっとぶざまな自分を見て欲しくて仕方ないの、きっと。
「あんっ、んーっ」
洗面台に縋り付いてる腕と、力が入らない両足がぷるぷるしてる。
「いきそうなんだね」
「あ、あっ、あっ」
「絞まってる絞まってる(笑)」
「あああ、あ、あ、んあ」
「自分のイキ顔見ててごらん」
くにゃくにゃの足の爪先に力を込めて爪先立ちみたいにしながらお尻を持ち上げた。
奥にください
気持ちいいところに欲しいのご主人さま。
薄目になってるのは私?
鏡の中の女の人?
視界が揺れて鏡の中の女の人が歪んで見えるよ。
「いっ、ちゃう、いっちゃう」
ああだめ。
目を開けてるのかどうかも自信がない
見えてないのか、見えてるのに脳が処理できないのかも判らない
んっ、ぐっ
喉の奥のほうから音を絞りだして、身体中がガクガクと震えた。
洗面台にしがみついていた腕がダラリと落ちて、身体が二つ折りになって、
ゆらゆらしながら床に指先が触れてる。
ご主人さまは私から抜くと、支えてくれてた手も離した。
(…つめたい)
身体がひんやりして、床の上に自分が倒れてるんだなあ…と思った。
はっ、はっ、はっ
床に触れてるところは冷たくてでも身体は熱くて、
馬鹿みたいに呼吸が荒くて耳障り。
ご主人さまがゴロンと転がってる私を見下ろして笑ってる。
転がってる私もだらしなくて、格好悪いはず。
「風呂」
あ、ご主人さまに跨がれた。
力が入らなくてダランと床に転がってるわんわんを、ご主人さまは跨いで行った。
(置いてかれる)
お風呂と洗面所なんてすぐ隣。
なのに、置いてかれるって思った。
置いてかないでって、なんだか泣きたい気持ちになった。
もちろんほんの一瞬のことだけど。
「ダセー」
お風呂からご主人さまの声がする。
「わんわん…ダサい?」
「わはは」
ああ、早くご主人さまのとこに行かなくちゃ。
わんわんがご主人さまのとこに行くために、ここに置いてってくれたのだもの。
「えへ」
うーん、って唸りながら身体を起こして、ぺたぺた両手両足を使ってご主人さまのところに向かう。
ご主人さまは浴槽の中。
「よれよれだなあ(笑)」
「ちから入らない(笑)」
「ほら」
ご主人さまが『ここに入りなさい』って場所を空けてくれてる。嬉しい。
ご主人さまのとこに来たことが嬉しくて、お湯に浸かってからペタっとご主人さまにくっついた。
「えへ」
「嬉しそうだなあ」
「嬉しいもん」
ご主人さま
いつもわんわんを置いてってね
自分の手足でぺたぺたご主人さまに向かう、自分がとても
とても、誇らしいのですとても。