リペア詳細最後は、音に直接的に影響のあるピックアップ(以下P.U.)交換。
以前にも何度か書いたので繰り返しになりますが、この87年製の音はよく言えば暖かい、悪く言えばこもった音で、歪ませた低音弦などはキモチイですがクリーンは暗くて抜けがイマイチという傾向です。
別段不満があるわけではないけど、サビサビで汚らしくなってるし違うのも試してみたいということで、リペアついでに交換してみました。
せっかくの87年製3ピーストップなのでダンカンのSLASHモデルでも良かったのですが、「そのまんまやん」というのもナンなんで…そのベースとなったアルニコ2プロにしてみました。
Seymour Duncan APH-1n&APH-1b Alnico Ⅱ Pro
SLASHの音もどちらかといえば「カラッと乾いて抜けが良い」というタイプではない(と思う)ので、自分のレスポールも大きな傾向は変わらないだろうと推測。逆に言えばどこが変わるのかが興味あります。
今までついてたのは、製造時から乗せていたギブソン純正(以下オリジナル)。
汚らしくてすんません、何しろ30年物なんで…
所謂刻印ナンバードってやつ?
この時代の標準的なものですが、この先どうなるかわからんので一応取っとこ(小汚いと怒られそうなので嫁には内緒です)。
あ、どちらもダブルブラックなので見た目変わらず…と言いたいところですが、オリジナルはポールピース錆びてたのでキレイになりました(笑)
音については…
音を決める要素はほとんどがネックを含めたボディで、さらにボディに木を使っている以上個体差が大きいわけで、P.U.のレビューほどアテにならないものはないんじゃなかろうか?と個人的には思っています。
ただ今回はボディが同じなので、少なくとも「違い」についてはわかるかなと。まあ刻印ナンバードと比べることがどれだけ意味があるのか疑問だけど(笑)
だいたいの傾向は大きく変わってないと思うけど、以下弾いてみて変わったところ(特に最初に感じた印象)を。
まずハイ(高音域)がよく出るようになってクッキリスッキリ。こもった感じは大幅に減少しました。ハイはある程度予想してたけど、ロー(低音域)も予想外に出てます。もともと低音がよく出るギターだと思ってたけど、さらに出る感じ。
ハイとローが出て相対的にミドル(中音域)が引っ込んだので、ひとことであらわすと所謂ドンシャリな印象ですね。巷ではウォームとか甘いとかいうレビューが多いですが、むしろ逆に「かたい」とか「冷たい」という印象。粘っこさがやや減って、ハイの倍音が増した感じです。
ただこれはあくまでオリジナルと較べての第一印象であって、冷静に何度か弾いてみて一般的なハムバッカーと較べるとそうでもなく、レスポールらしい暖かさももちろんあります。
ダンカン公式のトーンチャートでは
B(低)7 :M(中)4:T(高)8
とかなりドンシャリになっているけど、自分のギターに乗っけた印象だとそこまでじゃないかな?B7:M5:T7 って感じでしょうか。
オリジナルがいかに分厚いミドルでハイが出てなかったかということですね(オリジナルはB6:M7:T5 な感じ)。まあこれはこれで暖かくて心地よいところもあったのですが。
ですから全体的なバランスは良くなったと思います。
パワー感はあんまり変わらないです。どちらもパワフルなタイプじゃないですね。
ちなみに、アルニコ2プロの直流抵抗値はネック側7.5k、ブリッジ側8.4kだそうです。
まとめると
・ハイ↑
・ミドル↓
・ロー↑
・分離感↑
・暖かさ↓
・パワー→(大差なし)
・コンプ感↓
・サスティン↑
個人的な好みで言うと、フロント(ネック側)の音は好きです。オリジナルに較べると甘すぎず丁度よくて、オリジナルより芯がありながらも色っぽい感じがします。
リヤ(ブリッジ側)はそうでもないかな(笑)。バランスは良いんだけどちょっと優等生すぎるというか、ソツがない感じ(堅いとも言える)で、もう少し個性が欲しいですかね。面白みがないというか。ポールピース調整(一応ショップで調整済)するかなぁ…やりだすと無限ループに陥りそうでコワイんだけど。
比較のため一応機材やセッティング(弦高や弦とP.U.の距離などを含む)も全く同じにしていますが、何かの数値を計測してのものではなく、あくまで「自分が弾いた聴感上の印象」ですので、人によって感じ方は違うかもしれません。
それと前回書いたとおり同時にフレット・ナット・ブリッジなどの交換&調整をしてるので影響があるかも(特にフレットは影響してそう)です。
なお、交換前後ともにカバー無しでの音比較です。
とまあこんな感じでしょうか。
それほど弾き込んだわけじゃないのでまた印象が変わるかもしれません。
音についてはもう一つのレスポールとの比較も含めて、また暇なときに書くつもりです。
え、もういいですか?(笑)