以前の記事で書いたとおり、今回購入した個体は同じ仕様のレスポールのなかではかなりの軽量個体(ウェイトリリーフ無しで約3.8kg)でして、これは試奏でも確認しましたが音にも反映されています。
基本的には軽いギターは軽い音がするという定説(?)どおり、軽くてカラッと乾いた感じの傾向です。
帰って来て自分のアンプで弾いてみたら…更にその印象は増しました。なぜなら、以前から持っている'87のStandardが対照的な音でして。重くて湿った感じの、よく言えば暖かい音です。もっとも、これは個体差というよりも仕様が違うわけで、30年もの差ですからね。このころのレスポールはよく「モコモコした音」と言われることが多いのですが、これは時代背景もあります。
ヴィンテージのレスポールは今や冗談抜きで家一軒買える値段なので弾いたことはありませんが(つーかあってもそんなん怖くて弾けねーし)、カリカリの乾いた音と言われています。自分は2本目ということで違う傾向の音が欲しかっただけで特にヴィンテージ志向なわけではなかったのですが、なるほどこれはこれでいい音だなと思います(まあ知らなかっただけとも言える)。
以下、音の傾向をまとめてみました(この評価はあくまで手持ちのふたつを比較した相対的なものです)。
<Traditional 2018(以下トラ)>3.84kg
- 全体的にカラッと乾いた感じで、所謂「抜け」が良い
- ハイが良く出ていて、特にクリーン〜クランチは特筆もの
- 生鳴り感が強くレスポンスが良いので、歪ませてもピッキングのニュアンスを出しやすいが、反面下手だとごまかしが効かない(汗)
- 歪ませても音の輪郭がはっきりしているが、反面暖かい感じは控えめ
<'87Standard(以下モコ)>4.3kg
- P.U.カバーを外しているせいかアタック時のカリッとした感じは若干あるものの、全体的には角が取れた感じの太くて暖かい音
- 湿った感じの重めの音で「抜け」は良くないが、歪ませたときの低音弦の音は独特の気持ち良さがある
- ピッキングアクセントはつけにくいが、反面コンプ感がある。
- クリーンはモコモコした感じで、あまり向かない(好きではない)
こんなとこでしょうか。
ネットも含め世間的にはヴィンテージ志向の音のほうが評価は高いようですね。ギブソンもその辺がわかっているのか、最近のモデルはカラッとした音の傾向があるようで、アルミテールピースの採用なんかもその流れでしょうか。
ただ歪ませるとモコのほうもなかなかに捨てがたい良さがあります。よく言われる好みの問題に加えて、どんな曲を弾くかによっても向き不向きがあると思いますよ。例えば、「クリーンなんか要らねえ、ザクザクとリフを刻むのが男だぜぇ」みたいな方(自分の周りにはいませんが)には断然モコのほうが気持ちいいし、やはり低音はしっかり出ます。
とはいえクリーンに関しては明らかにトラのほうが抜けが良くキレイな音です。というか、今まで長いこと使ってきてあまり気にならなかったのですが、モコのクリーンがいかに良くないかがとてもよくわかりました(笑)
ですから守備範囲はトラのほうが広いと言えるかもしれません。
実はP.U.カバー取外すつもりでしたが、大音量で弾く予定もないしハイが良く出ているし、外す必要性を感じないので当面はやめます。

