
約10日前、突然5時間30分の耐久に誘われる。もちろん、走りたい。が、今の俺・・攻めれるのか??
前日、サーキットに向かう道中からなまら緊張。そして毎度ながらエずく。今回はエずくだけじゃなく、口から内臓出そう。いや、ちょっと出たかも。SNOWの一発目も緊張するけど、次元が違うね。
ドライバー3人集合。みんな、引退したおじさん。俺以外は元ジャリ屋さん。50分の練習走行。
俺、3分。他2人55秒と51秒。正直、もっと乗れると思った。10秒遅いって、ありえなくね? 笑えない。全然笑えない。原因は、まず恐怖。リアはまだ出ていないのに、出るかもって恐怖。予想通り攻めれない私。このヌルい10年間の集大成を披露。そして、スローインファーストアウトを意識しすぎて、超スローイン。走行後、元ジャリ屋さんとお話して、自分の突っ込み不足を実感。明日、できるか? 帰ってYOU TUBE見た。見たって駄目だ。感覚だから、自分で取り戻さないと。しかも、決勝は雨予報。

当日、起床。目眩がする。そして、このテンションの低さはなんだ!! 仕事か!! 胃も痛くなりながら戦場に到着。つーか、ヘビーウエットなんですけどぉーー。2人のドライバーは楽しそう。俺は、楽しくない! 今日の目標は、ベストラップ取るのと、最後楽しかったって言えること。そして、車と自分も無事に帰ること。
スタートドライバーは俺。他の2人はスタートしたことないって・・・俺もローリングスタートは無いんですけど。でも、腐っても俺も元レーサー、団子になったら燃えるんじゃないかと、受諾。あーー、心臓バクバク、また目眩と吐き気と胃が・・・。
予選スタート。俺は3人目、アタック係ではない、俺の使命はドライ用Sタイヤか、雨用ラジアルかの判断。Sタイヤで7コーナーをまっすぐ行った俺はラジアルの判断。Sは限界がピーキー過ぎるわ。
コースオープン、60秒前、30秒前、カウントダウン。さすがに、ここまできたら、緊張もいい方向の緊張に。フォーメンションラップスタート。水たまりや川の場所を暗記。クラブマンコースはさすがにすぐ思い出した。ローリングスタートの、じりじりした感じは24耐のペースカー解除のグリーンフラッグ待ちを思い出す。全てが懐かしい。
最終コーナーを立ち上がると、シグナルグリーン。調子良く加速! 何台かぶち抜く。1コーナー、ヘビーウエットの為みんな様子見で早めにブレーキ。俺は関係なくインに飛び込む。混戦楽しい。この辺の順位の人達は遠慮がちなので容赦なくブチ抜く。2LAPくらいすると、落ち着いてきて同じくらいのペースの車が集まる。ここからは、駆け引きが必要。悪いが、俺の車は直線番長。今までレースをしていて初めて直線でマージンがある車。いやー、楽だわ。ストレートかブレーキで抜いてコーナーで蓋。相手からすると嫌がらせだよね。しかも俺のラインは、ブレーキポイント手前だからさらに後続車はイライラ。イライラに負けてブレーキ勝負を挑んできた奴らは、みんなコーナーをまっすぐ行った。3・4台いたかなぁー。気持ち良かったわ。
何台抜いたかわからんけど、かなり抜いた。とりあえず、スタートドライバーとしては役目は果たしたかなって感じ。車もバラけてきてクリアラップが取れそうななのでタイムをねらう事にした。狙った矢先の1コーナー立ち上がり、いつもよりちょっと、ほんのちょっと早くアクセル入れたら、即スピン。せっかく苦労して抜いていった車たちが目の前を通過。・・・振り出しに戻る。また、シコシコぬくかぁー。
スタートから約40分。タイヤがタレてきた。進入、クリップ、立ち上がり、全ての姿勢で万全のカウンター準備。そんな中、1コーナーのブレーキ競争で見栄を張ってオーバーラン。あー、今度は俺がやっちまったよ、カッコワリー。しかも、コースの外はどっろどろ。止まったらスタックだ。何としても車はPITに届けなきゃ。なんとか、強引にコース復帰。復帰地点はアウトのクリップ付近、戻る時、1台の邪魔しちゃった。ごめんなさい、ここで出なきゃ、スタックしちゃうのさ。
このへんから、路面はハーフWETに、タイヤはさらに垂れて、ほかの車はスピードが上がる。最悪の展開。我慢、我慢の走りっつーか、ハンドル大忙しで限界です。もう、これ以上はムリなのでなんとか我慢して予定通り60分ピッたしでPITIN。明日、手首筋肉痛必死です。正直、もう乗りたくありません。運転ってーか、なんか過酷な作業を強いられている感じ。
タイムを聞くとベストはスピンする前の周で3’11”。あのコンディションではまあまあかな、でもさ、スピンしたら意味ないよね。
路面はさらに乾きセカンドドライバー走行後にタイヤ交換を敢行!
サードドライバーが俺のWETのタイムを超えてきた。いよいよ、路面はDRYになってきた。サードドライバーのタイムが安定して良いので、少し引っ張って給油。さぁ、出番です。
ドライバー交代時に路面はもうDRYだと伝えられる。もう、さっきとは全然違う。さっきの経験と感覚はもう使えない。また、スタートだ。交代して2周ほど、なまら抜かれる。いやっつーくらいパスされる。悔しくて悔しくて・・・。コーナーでびったり張りつかれる、インで差される。コーナーリングスピードが違いすぎる。雨のストレートは最強だったのに、立ち上がり用意ドンでも抜かれる。今、思えばトップ集団だったんだろうけど、もう、あんなに抜かれたの初めてだった。屈辱的だった。
また、まわりが落ち着いてきた。前とも後とも、さほど差が変わらない。じゃ、気持ち新たに落ち着いて前を詰めようかと、燃料計を見たら・・・なまら減ってる。乗り込む前、「残り2H燃料入れないで行くから、燃費走行な。」「はい!」なんて会話をしたのに・・・。どう見ても、どーーがんばっても2Hは無理。下手したら俺のスティントで空・・・「まず○○なら、遅いくせに、燃料喰いやがって、何やってんのよ。」そんなセリフが頭をよぎる。でも、もう手遅れです。走りながら燃料増やすことはできません。開き直って、でもほんのちょっと燃費走行。今まで3速でトラクションかけて抜けてたコーナーを4速にしたり。
すると、次第に思い出してきた。走り方を!! ブレーキからインのクリップまでのリアと車体の制御。そしてアウトクリップへ向けての加速。アウトが足りないコーナーはライン取りの変更。ひとつひとつの行程をさぼることなく、積み上げて削っていくタイム。そう、そう、この感覚! インでちょっと無理してみる、やはり滑る。つーことは、限界察知の感覚も合ってるんじゃね?
感覚は思い出してきたが、体力、集中力が続かない。あっという間に、自分のスティントは終了。バトルしながら2’51”、まあまあか。きょうは10年分のカウンター当てたよ、手首は限界。足もキテマス。
セカンドドライバーがチェッカーを受け、レース終了! 最初は5時間半、ながっっ! と、思ったけど、終わってしまえばあっという間。カウントダウンがタワーに表示される時間、懐かしかった。耐久っていいね。結果は、予選から5番手あがった。ま、今回は結果は二の次ですから、リハビリですから。
走り終わった車両たちがピットロードに帰ってくる。初めて表彰台に上がったレースで他のピットクルーやオフィシャルに拍手で迎えられて嬉しかった事をふと思い出した。
今回走って、つくづく体力不足を感じた。体力がないと、話にならない。もしベッテルのスキルがあったって、体力が無いと速くは走れない。そういや、24Hの前、手首の筋トレや持久走、マシントレーニングやったけな。
10年ぶりのサーキットは変わっていた。ピット出口の木もめっちゃ大きくなって、ピットにはモニターが、トイレはウォッシュレットになって、廃油缶は撤収されてた。でも、ラインが変わっていたのにはびっくりした。そして、参加者のレベルは格段に上がってた。おかげで、何回かいいバトルできた。ありがとう!次はぶっ潰す!!!!
レースって満足はないよね、いつだって、勝ったとしても、もうちょっともうちょっと、こうできる、ああしたい。多分プロでも、100点のレースなんてなかなか無いだろうね。俺は、今回は悔しかった、抜かれて悔しかった。でも、前よりオーバーテイクは上手くなったんじゃないかと思う。前が下手過ぎだったからかな。もし、次があれば体力をつけて、コツコツ作業をさぼらず続けてタイムを出したい。速いって言われたい。
終わった今でも単純に「楽しかった。」とは、とても言えない。とても怖くて、とても疲れた。ストレートで、ふと、なーーんで、こんな辛いことしてるんだろって思った事もあった。でも、めっちゃ特別な時間で、とっても濃厚、そして日常では絶対味わえない充実の時間だった。若いころ、色々我慢して真摯にレースしてて良かった。
そして何より今回誘ってくれた、Fさん、メンテしていただいたKさんSさん、一緒に走ってくれたYさんOさん。その他、色々助けていただいた皆さん、本当にありがとうございました。
俺って、つくづく、人に恵まれてるなぁーー。レースって人生勉強だな。