「公認心理師」の現任者講習の初回の募集が、先月半ばにスタート。
日本心理研修センターと日本精神科病院協会が募集した7000席は、すぐに満席。
その倍の応募があったとか。
先日の日本精神科病院協会の追加募集も、数時間で満杯。
募集のお知らせ第一報も募集開始も、ばたばたと急なことでした。
あっけにとられつつ、とにかくバスに乗り遅れたらどうしよう、
という危機感で慌てて応募した人も、少なくなかったと思います。
応募する側の人たちのことよりも、募集する研修機関側の都合で、
どんどん進められている印象があります。
現任者移行措置期間には、あと5年の猶予があるのだからと、
最初は冷静に様子見をしていた人も、日頃から世情に疎い臨床心理士も、
知り合いの同業者が、われもわれもと焦ると、
その焦りが伝染してしまいそうです。
現任の「心理職」ってそんなに多かったのか.....というよりも、
「心のケア」に絶対に関わってない「仕事」が果たしてあったんだろうか??
....ということではないでしょうか。
それに、
「心のケアに関わる仕事を、週に1日以上、5年続けている」
という証明書を、仕事場の代表者名で出してもらえるなら、
「現任者」と認められるのです。
最終学歴とか専門教育機関の取得単位とかは、問われないようです。
.....ということは、精神保健・医療・福祉だけでなく、
ものすごく多くの人たちが「現任者」として認められる。
つまり、「現任者講習」の対象者になれる、ということ。
けれども、「現任者講習修了」は、
「公認心理師」の試験を受けるための、
条件の一つを満たすことでしかありません。
「公認心理師」の全国統一試験で最終的にふるい分けられます。
とはいえ、国家資格の受験が自分に認められるのなら、
なんとかチャレンジしたい、というのが人情です。
少しでも可能性があるなら!と発憤して当たり前。
長年の間、誠実に地道に精神保健医療福祉の現場で働いてきて、
国家資格がないというだけで不遇であった人たちが、
大きな希望と期待を抱くことができたのが、
公認心理師取得経過措置の「現任者」認定範囲の広さです。
ほんとうに頑張ってきた人が、正当な報いを得ることは、
なによりも素晴らしいことです。
ただ,,,
現状の「現任者講習」では、民間のお金持ち組織、つまり、
私立の精神科病院の協会と当の団体が肩入れする団体に、
講習での収益が一挙に集中されてしまいます。
結局のところ、「公認心理師」の国家資格化は、精神保健福祉の
現場で頑張ってきた人や、その人たちが支援するユーザーは、
本当の主役ではないようです。
本当の主役でないといけない人たちの、上の上の上あたりの
元からのお金持ちで大きな権力を持っている人たちが、
もっとたくさんのお金を儲けるために、
この国家資格化が推進されてきたんだ、
という実態が、いよいよあらわになってきています。