日本臨床心理学会の会員5名を1000万円の損害賠償で訴えたのは、その同じ団体の22期(2015.11ー2017.9)の役員の方々です。

 

22期役員は、25年前この学会を乗っ取った人自身と乗っ取りを引き継ぐ人々です。

乗っ取られた側の元執行部が脱退して創ったのが、「日本社会臨床学会」

この「社臨」学会が、1971年の改革以後20年間の、日本臨床心理学会の活動理念を引き継ぎました。

 

つまり、現在の日本臨床学会で、1971年の改革時からの会員だと、学会理念の高さを誇って語る人たちは、もっぱら、1971年から1991年までのこの学会が社会で果たした役割を自慢しておられるのです。

もちろん、1991年の執行部が予定していた議決を当日入会の会員を含めた根回しによる反対多数でひっくり返し、それを裏で根回しした人たちが「全心協」という労働運動体を作ったことなど、一つも表には出さずに...

 

 

それから25年の時を経たいま現在、日本臨床心理学会執行部は、事実上、全心協つまり日本精神科病院協会に「乗っ取られ」ています。

 

なぜそう、断言できるのか?

 

その証拠は、(細かな裁判での書面と意見書を、一つ一つていねいに読み解いたら、皆さんにもご納得頂けるでしょうが、)、明確に示す事が出来ます。

 

この裁判を誰が訴え、誰が訴えられたか、を知れば一目瞭然です。

 

日本臨床心理学会(任意団体)の名称を用いて私たち5人を訴えた「22期」役員の人たちは、全心協と日心(日本心理学会)が求めて来た「医療領域」の心理職権益に深く関係する(つまり利害関係が一致する)人たちです。

 

これらの団体は「医師の指示に従う」公認心理師国家資格化を中心になって推進してきました。

ことに精神科医療保健福祉現場の心理職の職能団体である全心協は、日本精神科病院協会の全面的な支援を受けています。…つまり御用組合です。

 

 

日本臨床心理学会(任意団体)に訴えられた、私たち5名の会員の立場は以下の中に記しています。↓

http://nichirinshin-o.sakura.ne.jp/wordpress/2017/05/亀口公一氏記名文「全面勝訴のお知らせ」を受け/

 

お分かりですよね。

被告には、精神医療被害連絡会の中川聡会長が含まれています。

元執行部で旧来の役員方の行状を知っている實川さんと戸田2名の口封じをしたかったのは分りますが、あと2名の人たち(臨床心理士の金田牧師さんと精神保健福祉士事務所長の梅屋さん)は、とばっちりで訴えられた感が強いです。

 

つまり日本臨床心理学会22期執行部がどうしても口を封じたかった一番の本命は、

精神科病院の収益第一の荒稼ぎの内実と患者さんへの酷い人権蹂躙を知り尽くしている、ユーザーの代表だったのです。

 

 

紛争のきっかけとなる2015年9月4日の総会の直前に、個人発表会がありました。

そこで、精神医療被害連絡会・全国オルタナティヴ協議会代表中川聡会員が発表し、

中川会員の主張に対し、藤本豊運営委員(全心協副会長)が、批判的論評を行いました。藤本委員に対し、中川会員からは整然とした反論がなされました。しかし、それらのやりとりの一切は、広報紙にも機関誌にも記録されずに封印され、無かったことにされてしまいました。

 

精神科医療で生じた被害の事実を公に語り訴えることは、

全心協の親方「日本精神科病院協会」にとっては、業務妨害なのです。

 

 

このSLAPP訴訟、つまり、強者が弱者の口封じのために、民事で訴えて法外な賠償額を吹っかける訴訟が、公認心理師法の成立後性急に起こされた理由も、同じです。

 

社会的弱者の中でも不当にも最底辺に落とし込まれている精神医療福祉保健ユーザーを、さらに合法的な暴力である提訴で、徹底的に口を封じること。

これこそ、公認心理師法を成立させてくれたご恩ある権力の主(=雇用主)への服従の証となります。

 

 

先週半ばに、現任の心理職にとっての、公認心理師資格試験のパスポートとなる、現任者講習の受付が始まりました。全心協会長が理事を務める日本心理研修センターと日本精神科病院協会が募集した現任者講習会には、併せて7000人の募集のところ、その倍の申込が殺到し、ネット申込は即時満員の大わらわだったそうです。目下、追加募集が検討されているとのこと。

 

受講料は、4日or5日で、テキスト代別、一人7万円です。

単純に計算しても、この第一次募集関連だけで10億円近くのお金が、表立って動こうとしています。

表でこれだけ動くのですから、裏で動くお金の膨大さは想像もつきません...。

 

Q and Aにお答えになる、宮脇稔「全心協」会長・大阪人間科学大学教授。