▷おはようございます。
タッカーカールソンのプーチン大統領へのインタビューの内容は、その後も、速報の不十分な情報解釈から、少し落ち着いて、カールソン氏の戸惑いから、発見・気付きへと変化したように、動画、X、FBなどでも、かなり突っ込んだ論考が増えてきたように思います。

その後のカールソン氏の動向については、私は追いかけていなかったので、知りませんでした。

でも、しっかりとロシアの国の現状を見ることで、よりメタレベルから世界の現状を見る視点を得て、トランプ革命、DSたちの暗躍などの理解も深まり、

単にジャーナリスティックな見方だけではなくて、紛争を解決するための思想、政治的判断、真実を国民に告げることの必要性なども、再確認したことでしょう。

《Chihiro Sato-Schubert さんのFBより》



【ウクライナを軍事支援することは、ウクライナ人を殺すことだ】

モスクワに行ったアメリカのジャーナリスト、タッカー・カールソンは、クレムリンでプーチン大統領にインタビューした6日後には、ドバイの世界政府サミットでスピーチし、ロシアは2022年3月にすでに停戦するつもりだったということを語っていた。戦争が続いているのは、ロシアがウクライナを占領したいからなのではなくて、ボリス・ジョンソンやヴィクトリア・ヌーランドウクライナをそそのかしてロシアを攻撃させようとしているからなのだと。

同じ日の晩に、彼はアメリカ上院議員のジェームズ・ディヴィッド・ヴァンスに、オンラインでインタビューして、ウクライナへの軍事支援を米上院で可決したことについて、聞いていた。そこで彼は、ウクライナを軍事支援することは、ウクライナ人を殺すことでしかない、とはっきり言っている。

まさにその事実を、西側のメディアと政府は隠していたのだ。ウクライナに軍事支援をすればするほど、ウクライナ人がさらに死ぬだけだということを。カールソンは、インタビューの直後には、まだこの点について懐疑的だった。プーチンは何度も停戦しようとしてきたと言っていたけれど、ロシアは本当に停戦する用意があるのかどうか、彼は半信半疑といった風だった。しかし、ドバイでの発言では、彼は完全にそのことについて確信したようだ。

アメリカやヨーロッパ、つまり西側のNATO諸国は、ウクライナが戦闘をやめたら、ロシアはウクライナを占領して、さらに西へ侵攻する、と言い続けていた
だから、その事態を食い止めるためにも、ウクライナに支援し続けるしかないのだと。さもなければ、アメリカ人まで戦争に駆り出されることになるのだからと。

プーチンは、アメリカが軍事支援をやめれば、数週間で戦争は終わる、と言っていた。インタビューしていた時点では、カールソンはまだそのことをよく理解していなかったようだ。ロシアは本当に停戦するつもりがあるのか、あるのならどうして今まで停戦にならなかったのか?

 それでプーチンは、何度も2022年3月のイスタンブールでの停戦交渉のことに話を戻している。

あのときは、ロシアはまだドンバスを併合していなかった。ウクライナ軍がドンバスへの攻撃をやめ、軍を撤退して、ロシア人差別をやめれば、ドンバスはウクライナの一部のままでよかった。

つまり、ロシアはウクライナの領土など少しも求めていなかったのだ。ただ、ドンバスの人々の安全とロシア語を話し、正教を信仰して生きる権利が確保されればよかった。

この停戦交渉は、ロシアが本当にウクライナの内戦を止めるため、ドンバスに平和をもたらすために軍事介入しただけなのだということを、はっきりと示している。

その停戦交渉のときに、ボリス・ジョンソンがキエフに来て、ウクライナに停戦を思い留まらせたのは、それでロシアを弱体化させることができると思っていたからだ。しかし今、NATO軍が束になってかかっても、ロシアに勝つことはできないことがはっきりしているウクライナに軍事支援すればするほど、ウクライナ兵が犠牲になるだけなのだ。

ウクライナでは、若い年齢層はほぼ全滅して、動員されている人々の平均年齢は45歳を越えている。ウクライナ人が絶滅するまで戦争を続けるつもりなのか? これはまったく非道だ、まったく気狂いじみている、とカールソンは言う。

ところで、アメリカの上院議会で、600億ドルを数年間にわたってウクライナに支援する法律が可決された。上院議会は戦争を推進する民主党が過半数を占めているけれど、下院議会では、ウクライナへの軍事支援に反対している共和党が過半数を占めているので、これは下院で否決される可能性は高い。上院議員のジェームズ・ディヴィッド・ヴァンスによれば、この法律の目的は、何とトランプを弾劾するためだという。もし次期大統領にトランプが選ばれた場合でも、トランプがウクライナへの軍事支援を拒否すれば、法律に違反したということで、弾劾することができる。そのための下地を作っておこうとしているのだと。

いずれにしても、ウクライナに軍事支援するのは、軍事的にはまったく何の意味もないということを、カールソンは完全に理解したようだ。ウクライナを守ろうと思ったら、軍事支援をやめて、停戦させればいいだけのことなのだ。それなのに、軍事支援を続けていれば、税金がウクライナの腐敗した政権に流れていく。そして、ウクライナ政府はさらに人々を動員して、戦争を続けようとするのだ。ウクライナ人は動員されてどんどん死んでいき、西側経済は軍事支援と経済制裁によって衰退していく。

かくして、アメリカは腐敗のお金ばかりが流れていき、インフラを整備することにも投資していないので、街は汚いし、治安は悪いし、地下鉄はボロボロだ。

カールソンは、実際にモスクワの街を歩き、地下鉄に乗り、スーパーで買い物したりして、ロシア政府は国民の生活のために税金を使っているということに納得したのだと思う。どうしてアメリカとこんなに違うのか? 

それは、ロシアでは、政府が国民のために働いているからなのだ。
アメリカやヨーロッパでは、明らかに違う。政府は国民の利益のためではなく、グローバルエリートの利益のために動いている。だから、税金は、地下鉄をきれいな安全なものにするためではなく、アメリカの軍事産業やウクライナの腐敗政権の利益のために使われている。

カールソンは、モスクワに行って、今のロシアを自分の目で見て、プーチンと話をして、ロシアだけでなく、世界がおかれている状況が理解できたのだと思う。それまで彼は、多かれ少なかれ情報のマトリックスの中にいたのだけれど、そこから外に出てみたときに、初めて全体が一つ次元の高いところから見えてくるのだ。その視点に立ったとき、どうすればいいのかは、かなりはっきりと見て取ることができる。カールソンは今、その地点から、アメリカについて語っているのだ。そして、マトリックスの中にいるアメリカの人たちに、それを伝えている。

カールソンがアメリカ政府の妨害を乗り越えて、モスクワに到着したとき、マトリックスの壁に亀裂ができ、このプロセスが否応もなく始まったのだ。世界全体が一つ高いところに視点を移していくプロセスがだ。

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転載終わり