僕は大丈夫だから


私は大丈夫だから


辛いときほどそれを押し殺すかのようにその言葉を使う


でも この言葉ほど不安定で不確かなものはない




なぜだろう




根拠がないから


なぜ大丈夫だと言い切れる


ここで言葉に詰まる



何かを抱えた当事者にとって たとえどんなことであったとしても


たとえ他の誰かにたいしたことがなかったとしても辛いこと




大丈夫


これは自分を守る言葉でもあるのかもしれない



何から



今を否定されることから



大丈夫


この言葉にどれほどの意味をこめているのだろう


自分に言い聞かせる言葉


自分を押し殺す言葉


自分を守ろうとする言葉


それぞれの意味を持ち そして本音を隠す



大丈夫なわけがない 辛いものは辛いのだから


それを否定する必要もない 一人じゃないのだから




大丈夫


それならそのことに対して涙は流れない


それならそのことに対して声色は変わらない


それならそのことに対して表情は消えない


それならそのことで自分を卑下したりしない


それならそのことで どうせ~だから という言葉は生まれない




大丈夫じゃない



大丈夫じゃなくていいんだ




そう そんな鎧は必要ないよ




大丈夫


それは周りに対してではなく自分への言葉だから


言い聞かせる言葉


自分の気持ちと相反することへ





そんな必要はない


大丈夫な人なんて 誰もいない