誰かの特別な日だと知らずに

揺れる電車はまた一駅過ぎた

乗り過ごした慌てる青年は

後ろの人間が
今日、命を絶とうとしていることに気付けない

前の人間が
今日、誕生日であることに気付かない

愛されているようで
愛されていない実感

会いたい言葉は、欲しい人間は
欲しい言葉は、会いたい人間は

届かない悲鳴が耳を掠める

頭を撫でる風を見つめて

空虚な自分に呟いてみるのだ

「誕生日おめでとう」

馬鹿みたいな私よ、愚かな私よ

今日も生きて、生きて

どうか生きて