※自分の小説ばっか更新してないで、絵とか更新しやがれって感じだが、正直自分の小説だけで一杯一杯だ。

 そろそろ連載終わる(後、四、五話ぐらいかな。)ので、終わったら、絵とか更新できると思う。

 休日に絵とか更新できたらしたい。

 エリック編毎週金曜日更新です。


 街は賑やかだった。
 あちこちに電灯が点けられ、出店が出ている。
 沢山の人で溢れかえっていた。
 時折声をかけられ、俺はそれに適当に返した。
 祭の嫌なところは、常に人に見られているというところだろう。
 少なくとも俺にとっては、そうだったし、今でもそうだ。
『よく聞け、エリック。王子らしからぬ言動をしてはいけない。特に人前に出るときは、気をつけるんだ。いいな?』
 その言葉を今も昔も頑なに守っている。
 祭では、いつも愛想笑いを振りまいていた。
 自分を抑制し、祭を楽しんだことなど一度もなかった。
 小さい時、同じ年ぐらいの子供が親に何かをねだる姿が、とても羨ましかったのを今でも覚えている。
 窮屈なもの、それが小さい時から俺が祭に対して抱いているイメージだ。
「エリック王子! どうだい、挑戦していかねぇかい!?」
 そう声をかけてきたのは、輪投屋の香具師だった。
 まだ若く、年は俺より三つほど上だと言っていた気がする。
 この香具師は、いつも俺に勝負を挑んでくる。
 勝負は簡単、俺が景品を取れるかどうか。
 景品に輪をかけることができれば、その景品を取れる。
 普通に置いたのでは、簡単に取られてしまう。
 だから、店主は景品を投げにくい位置に置いたり、取りにくい形のものにしたりしてくる。
 俺は景品を狙って投げる。
 そして、俺は一度も負けたことがなかった。
「いいですよ」
 断る理由はない。
 それに、これは俺の祭の中での数少ない楽しみだった。
 ふと横を見ると、ダイアの視線が景品のくまのぬいぐるみに向かっている事に気がついた。
 その視線は、どこか物欲しそうだった。
「ダイア、あのくまが欲しいのか?」
 俺が小声で尋ねると、ダイアはぴくりと、体を振るわせた。
 図星のようだ。
「取ってやるよ」
「えっ、でも、あれ取りにくい位置にありますし、大きいですし、無理なさらなくても……」
 ダイアはそう言うが、その表情はどこか嬉しそうだ。
「大丈夫だ」
 俺は、ダイアに向かって微笑んだ。
「じゃ、今回はくまを取ったらお前さんの勝ちでどうだ?」
 話を聞いていた香具師がそう提案しながら、俺に輪を渡す。
 俺は、それに同意した。
 俺の同意を確認すると、香具師は少し景品を動かした。
 くまを守るように、五つの景品を置いていった。
 くまを守る景品は、くまより一回り大きい。
 一発でくまをしとめるのは不可能に近い。
 香具師は、俺に向かって不敵に笑った。
 勝負を難しくしてしまったかもしれない。
 だが、後悔はない。
 勝負は、難しい方が燃える。
 俺は、受け取った輪を見た。
 輪は六つある。
 これら全てを使って、あのくまを取る。
 俺は、くまではなくその周りの景品を狙った。
 輪は吸い込まれるようにして、次々と景品を取っていく。
 障害になりそうな景品は、全部で五つ。俺は、それら全てを一発でしとめる。
「うわ、嘘だろ!? わざと取りにくいので囲んだのに」
 香具師が関心しながら、景品をどけていく。
 そして、最後の一回。
 これで、全てを決める。
 俺は、輪を投げた。
 輪は弧を描きながら、くまのぬいぐるみに吸い込まれていく。
 俺の勝ちだ。

「はい」
 俺は店主から受け取ったくまをダイアに渡した。
「ありがとうございます!」
 ダイアは、子供のように無邪気に笑い、くまのぬいぐるみを抱きしめた。
 俺もつられて笑った。