運輸会社の社員は、大きく三つの階級に分けられています。
 一つ目は、見習い。
 セイカはこの階級で、見習いは一人前、もしくは半人前が一緒でなければ仕事が出来ません。
 二つ目は、半人前。
 ロイズがこれで、半人前は、会社から十キロメートル圏内なら、普通荷物の運搬ができます。
 三つ目は、一人前。
 リタ社長はこれで、法に触れない荷物ならば、どこへでも何でも運搬が出来ます。
 セイカはまだ見習いなので、リタかロイズが一緒でなければ仕事は出来ません。
 そしてセイカの初仕事となるこの日、セイカはロイズと一緒に仕事する事になりました。
「いよっし、行くよフェイ! 初仕事を成功させるのよ!!」
「フィーーー!」
 島の端で気合を入れるセイカに、セイカの相棒の、鳥のフェイは元気よく答えます。
 そんな気合十分、やる気満々なセイカに顔に、なにやらふかふかしたものがあたります。
 そのふわふわしたものは、セイカの顔を撫でました。

 見ると、それは鳥でした。鳥がセイカに頬擦りをしています。しかし、フェイではありません。
 フェイは、セイカの横でなんだか不機嫌そうに立っています。
「えと……」
 突然の事に戸惑うセイカに、後ろからロイズが言います。
「僕の相棒のカイナ。よろしくね、だって」
「うん、よろしくね」
 セイカはそう言って、カイナの頭を優しく撫でてあげました。
 すると、カイナは再びセイカの頬を撫でました。セイカは、カイナを抱きしめ、カイナの頭を撫でます。
 突如、セイカの髪が引っ張られました。
 セイカはカイナから手を離し、髪を引っ張られたまま振り返ります。
 そこには、ものすごく不機嫌そうな、むしろ怒っている様子のフェイの姿がありました。
 くちばしでセイカの髪を引っ張っています。
「あっ、もしかして妬いた?」
 セイカが尋ねます。フェイは、セイカの髪を離し、プィ、とそっぽを向いてしまいました。
「大丈夫だって、あたしの相棒はフェイだけなんだから」
 そう言って、セイカはフェイを抱きしめて、頭をガシガシ激しく撫でました。
 フェイの頭の毛が乱れます。
 フェイは、少し痛そうでしたが、それでもなんだか嬉しそうでした。
 その様子を黙ってみていたロイズが、セイカに促します。
「セイカ、そろそろ行くよー」
 しかし、セイカはまったく聞いていません。
 相変わらずフェイの頭を撫でくり回しています。
 フェイの方は、相変わらず嬉しそうに撫でられています。
 ロイズの声が届きそうにありません。
 放っておけば、いつまでもこの状況は続きそうでした。
「ねぇ、カイナ。僕達だけで終わらせようか」
 ロイズは、そんな事をポツリと呟きました。