翌日、1回も使っていない部屋のチェックアウトし、
荷物を送る手続きをした。
ちなみにホテル代は直人さんが払ってくれた...
広臣のマネージャーさんから観光地まで送ってもらう。

臣「逐一連絡しろよ?」
は「うん。」
直「逐一って...笑」
マ「ほんっと、亭主関白だよな。」
臣「心配性って言ってくれる?」
直「真弓、ちゃんと連絡してね!」
真「うん!」

マネージャーさんにお礼を言って車を降りた。

ーーーー

香港の大仏を見たり、雑貨屋に入ったり、食べたり、空港内でお土産を買ったりしてギリギリまで楽しんだ。

真「あと1泊できるんだったら、ディズニー行きたかったね~。」
は「また来ようよ!」

飛行機の中では、直人さんとの初夜の話や、私の嫉妬の話をしてたら、あっという間に日本についた。

真弓と別れ、マンションについて広臣に電話した。

周りはガヤガヤ騒がしい。

臣「今みんなで飲んでんの!」
は「酔ってる?」
臣「少し!ちゃんと戸締まりして歯磨いて寝ろよ?」
は「わかってるってww」
臣「明日、多分遅くなるから...明後日橘さんち行くだろ?ちゃんと連絡しとけよ?」
は「うん。」

明後日の昼、初めてパパの家に行く。
奥さんとも初めて会う。
初めてって言っても、女優さんだからTVで見てるけど...

お風呂に入って、広臣の香水を枕に少しだけかけた。

ーーはぁ、落ち着く...

いつの間にか、眠っていた。


翌日、旅行の疲れが出たのか、なかなか起きれず...
目は覚めるけど、吸い込まれるように何度も眠りについた。

ガチャッ

寝室のドアが開く音がした。

「嘘だろ...」 

広臣の声がした。
夢の中で右手を誰かに握られている...
広臣の手だ...
夢と現実の狭間にいた私は、そう思いながらも起きれずにいた。
どのくらい寝たのかわからない。

「...い!おい!いい加減起きろ!」

うっすらと目を開けると、覗きこむように私を見る広臣がいた。

「ん?えっ?」

ビックリして飛び起きる。

臣「いつまで寝てんだよww」
は「は?え?」
臣「さすがに寝すぎだろ!」
は「なんでいるの?」
臣「撮影延びたから帰ってきた。」
は「連絡してよ...」
臣「したよ!お前だろ、全く連絡してないの。」
は「寝てたww」
臣「知ってるよww」

スマホを見ると、LINEに着信がすごい...
リビングに行くと、洗濯物が部屋干しされていた。
私の荷物も届いてたみたい。

は「何時に帰ってきたの?」
臣「13時くらいかな?」

17時...
ーーまじか。

臣「疲れてたんじゃねーの?」
は「ベッドが私を離してくれなかったから、つい...笑」
臣「さっき橘さんに電話しといたから。」
は「あ、忘れてた。ごめーん...」

広臣も疲れてるはずなのに、ゆっくりしとけって言って、夕飯にハヤシライスを作ってくれてくれた。
食べたあと、仕事するからって言って書斎に行った広臣。
片付けをして、荷物を片付けて、お土産を分けていた。

は「ん?」

右手の薬指に指輪がはめてあることに気がついた。

は「ひろおみー!ちょっとー!大変!」

リビングの続きにある書斎から慌てて出てきた広臣。

臣「どーした!?」

は「これ!」
臣「なんだよ...てか気付くのおせーって。俺も忘れてたじゃん。」
は「これって、Cartierでしょ?」
臣「そうだよ。」
は「こんな高いの...」
臣「お前にやるんだったら、金額は気にしないよ。」
は「ありがとう///」
臣「もうすぐ終わるから、待ってて。」

指輪をはずしたりつけたりして、眺めて待ってた。