こんにちは。
今シーズン10戦目の海外戦、「台北101垂直馬拉松」
のレポートをお届けします!
ニューヨークから帰ってきてから1週間経った10月13日には家を出てレース会場に向かうという忙しい日程でしたが、今回の会場はアジアという近場なので問題なし(笑)
飛行機で4時間かからず行けて時差も1時間しかないので気助かりました。
しかも今回は事情によりワールドシリーズとしては開催せずに1ローカルレースという扱いなので、特別な調整はせず、10月12日にもしっかり階段練習をして臨みました。
どちらかというと翌週に開催されるマカオでのTWAワールドシリーズに向けた練習、くらいのリラックスした気持ちでレースに臨むことにしました…
今年初のアジア遠征
改めて紹介しますと、今回のレースは10月14日に開催される
「台北101垂直馬拉松」です!
まだまたアジアではコロナ禍の影響が社会に与えている影響が大きいようで、レースの再開に時間がかかりました。
建物の高さは509mもあり、2004年に完成した時は世界一高いビルとして話題になりました。
現在でも世界で12番目に高いビルとして威風堂々とした姿を見せつけていました。
世界最恐の階段?!
さて、今回のコースの紹介です。
2046step
+390m
1階をスタートして、91階の展望デッキがゴールとなります。
一度階段室に入るとゴールするまでひたすら階段を登り続けることになる階段好きにはたまらないコース。
しかし、この階段は競技者の間では「世界最恐の階段」と恐れられています。
その理由は・・・。
とにかく傾斜がキツイんです!!
ハルカスより2㎝ちかく蹴上が高いです。
しかも踊り場には平坦に走る部分があったり、一度90度曲がって2段登ってからまた90度曲がって
階段を登って・・・などイレギュラーなことが多く、参加者の頭も悩ませる本当にキツイ階段なんです
過去2回レースに参加し、ベストタイムは11分43秒でした。
(下から見上げた台北101はまさに摩天楼)
確かにキツイ階段ですが、この間の甲野先生から教えていただいた新しい技術を使えば必ず記録は更新できるという手ごたえはありました。
なので、今回の目標は10分30秒と定めました。
今回は日本からエリート選手2名が参加してくれました。
2日前の練習の筋肉痛が若干残っていましたが、加藤浩選手(左)と吉井将晃選手(右)の両名の前で恥ずかしい姿は見せられないと気合を入れなおしてスタート。
今回は30秒間隔の1名づつのウェーブスタートです。
意外なほどに快調な前半戦
作戦はとしてはとにかく中盤の50階辺りまでは「走り」を維持すること。
ただし、思い切り突っ込むのではなくて、力を抜いて足を回すことで省エネで走ることを意識しました。
段差の高さがジワリジワリと体力を奪っていきますが、とにかく今は課題をこなすことのみに専念しました。
「トン、トン、トン・・・」
とリズムよく足を階段に着地させ身体を斜め前方に浮かしていくような感覚。
ほんの少しだけ「ゾーン」にはいったような気がしました。
(うーん、いい感じだぞ。このまま行けることころまでいこう!)
と気をよくして手すりをほとんど使わずに30階を通過しました。
思えばこのあたりから手すりを使う頻度をもう少し上げても良かったのかもしれません。
手を放して走ったほうが確かにスピードは出るのですが…。
とにもかくにも、40階付近では30秒前にスタートしていたマークボーン選手の足音が聞こえ始めました。
マーク選手には今まで大きく負け越していました。
なので、こんなに早く追いついてしまうことはちょっと想定外でした
ただ、彼は長期戦に強く、後半もほとんどペースが落ちないのが特徴。
無理に追い越すことはせずこのまま彼についていくことにしました。
エンパイアステートビルの悪夢の再来
ところが50階を超えたあたりから、一気に今までの疲労が噴き出し、
手すりに頼った「歩き」に移行してしまいました
もちろんすべてを走りで登ることはできないとわかっていましたが…。
50階ちょっとでここまで消耗するのは想定外でした。
40階でマーク選手に追いついたことで余計な思考や力が入ってしまったのか、
そこから一気にフォームが乱れて疲れを溜めてしまったのが原因だと思います。
ペースもフォームも乱れて、タイムもがた落ちした感じがしました。
そこから何度かフォームを立てなおそうと、悪戦苦闘しましたが左右にブレる身体を支えきれず…。
75階以降は意識もぼんやりとして、ただただ手すりを引いて登るのみで、マーク選手もいつの間にか姿を消していました
89階で一度時計を見ると、11分20秒ほどでした。
目標達成は無理だとはわかりましたが、せめて11分35秒は切りたい!と
最後の力を振り絞ってラスト2階を駆け登って…。
我ながら笑えるくらいに「糸の切れたマリオネット」状態でした。
Time-11分41秒
前回のempirestatebuildingの時と同様、前半のオーバーペースが響き、後半に大失速を喫してしまいました。
明らかになった課題
レース時間10分を超えるロングカテゴリーになると
ペースメイクがうまくいかないということが浮き彫りになりました。
ロングレースや、超ロング(レース時間15分以上)の対策が来シーズンに向けて必要になると痛感しました。
とはいえ、今年はレース時間2分ほどのショートカテゴリーで一定成果が出たことは確か。
スピードは増してきたのでそれをどうロングでも活かすかを考えていきたいと思います。
当日のライブ中継の様子がYouTubeにアップされていますので、こちらからどうぞ↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=bKYQ2wqZMtM
勝負は下駄をはくまでわからない!!
ゴールしてから2時間ほどしてようやく判明したリザルトは以下の通り↓
Top 4 Males
1 Wai Ching Soh (MAS) 11:40
2 Ryoji Watanabe (JPN) 11:41
3 Mark Bourne (AUS) 11:48
4 Ching Chun Lo (TPE) 12:38
ソウ選手にはかなりの差をつけられて負けただろうなと思いましたが…。
結果を見ると、なんと優勝のソウ選手とはわずか1秒差でした!!
(ソウ選手のゴール、彼も連戦の疲れか納得いくタイムではなかったようです)
く、悔しい・・・
ほんの僅かな頑張りで勝利できたのかと思うと、やりきれない気持ちになりました。
でもいつまでもくよくよしていられません!
まだこの後には海外最終戦となるマカオ大会と
今年の大一番、世界選手権inあべのハルカス
が待ち構えています。
また一つ皆さんのおかげでいい勉強をさせてもらったことに感謝して気持ちを切り替えました。
(強敵・マーク選手に勝てたのは嬉しい成果でした)
次回のレースは1298段、約230mupと得意なミドルレンジ!
なんとしてもソウ選手に勝ちたい!!
(台湾名物?牛肉クレープロール)
レース後の食欲開放を最小限に抑えました。
そして表彰式から2時間半後の飛行機に乗るため、現地の階段巡りもあきらめて、急いで帰国しました。
(台北101から電車で20分の松山空港は超便利!)
マカオ大会まで1週間しかないので、体調管理が最大のカギになります。アクセスのいいフライトを選ばせてもらって本当に助かりました!!
そして今後は直前の練習で筋肉痛など残さないようにしてベストコンディションで臨もうと心に誓った遠征でした。
それではまた。
渡辺良治