こんにちは!

先日N1の読解のレッスンをしていた時のことです。

生徒の答えと正解が違っていて、私は簡潔に説明をしましたが、生徒は納得するために時間を必要としていました。

それで、私は黙ってそれを待っていました。

2分後、生徒が
「先生、わかりました。大丈夫です。次にいきましょう。ところで先生は忍耐強いですね。」
と言いました。

「どうしてですか」
と聞いてみたところ、

「ほかの先生は説明したらすぐに次に行きます。答えだけ合わせてどんどん進めます。」
と言うので、

「生徒や場合によりますよ。今は考える時間が必要そうでしたから。」
と言いました。

実はこれはある経験をして変化した私の習慣です。

以前、大学教授の初級の授業を見学させていただいたときに

教授は緊張して答えに詰まる学生を暖かく待っていらっしゃいました。

とても印象的だったので、授業のあとにお話しを伺いました。

「私はああいう時に焦って次に進めてしまいがちなんですが」というと、

「初級の授業の半分は待つのが仕事です。」

とにっこり笑っておっしゃいました。


教師は限られた時間の中で授業を進めていかなければならず、ついついぱっと答えを出してくれる生徒を指名しがちです。

ですが、ぱっと出せない生徒こそ発言する必要があったりします。

それ以来私はできるだけ「生徒を待つ」ことをするようになりました。

最初はここで時間を取ることで授業時間内に終わるかどうか気が気ではなかったり、

「ほかの生徒に迷惑がかかるのではないか」と気にしたりしましたが、

待つ時間を作ることで、「この先生の指名は逃げられない」という実感を生徒も持つようにな

り、必死に何かを答えなければと意識が変わりました。


初級に限らず、生徒が時間を必要としているときには時間をかけて待つこと。

決して教師のための授業にしないこと。


それを心がけています。