外国の選挙の話などあまり、興味がないでしょうね・・・・
でも、日本の選挙と比較するとオモロイですよ。
豪州では、9月7日(土曜日)、下院(定数150、任期3年)<日本で云う衆議院総選挙>総選挙の投開票が行われました。
日本では必ず日曜日なのに、この国では必ず土曜日なのです。
なぜ、日曜日でなくて土曜日に選挙をするのか?
それは、同じ休日でも過ごし方が違って、「土曜日は家族とくつろぐ日、日曜日はどこかに出かける日」と昔からの習慣があります。
だから土曜日の方が投票し易いのです。
選挙戦で過去の実績や経験を強調したケビンラッド首相の与党・労働党に対し、変化の必要性を訴えたトニーアボット自由党党首率いる最大野党・保守連合が支持率で優位を保ったまま、6年ぶりの政権交代が実現しました。
世論調査の通りの結果でした。日本流に言えば、「民主党政権」から「自民党政権」に交代したような感じです。 新政権、自由党のトニーアボット新首相は選挙前の公約通り、1年前に導入した炭素税を廃止することはほぼ間違いないでしょう。
炭素税とは 環境破壊や資源の枯渇に対処する取り組みを促す「環境税」の一種であり、具体的には、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料に炭素の含有量に応じて税金をかけて、化石燃料やそれを利用した製品の製造・使用の価格を引き上げてしまうことです。
( “天然資源は国民皆のもの” という理由で施行されましたが、輸出価格が上昇すると輸出競争力が低下してゆくことにつながります)
オーストラリアの連邦議会は上院が定数76で任期6年、下院は定数150で任期3年。上院は3年毎に半数が改選されます。下院は全国を150の地区に分けて行う小選挙区制で、有権者は立候補者全員に優先順位をつけて投票し、最高得票者が全体の過半数を得ていれば当選、過半数を得ていなければ順に最下位の候補者の得票を分配して過半数になるまで繰り返して当選者を決めます。
私の選挙区・下院は候補者6名、候補者のリストに1~6位まで順位をつけます。(日本のように6名から1名の選択制ではありません)プリファレンス制度 Preference を採用しています。
だから、人気2番手でも3番手でも当選する確率が高いのです。
それとは別に政党の選択用紙(労働党・自由党・民主連合・みどりの党など)にどれか1政党を選択して投票します。
私はオーストラリア国籍なので選挙は100%必修です。投票は国民の義務とされ、18歳以上で理由もなく棄権すると国から「罰金」が科せられます。もし、これを無視すれば 1回につき20豪ドル(約¥1,800)の罰金が科せられます。
さらに逆らって、裁判に掛けられると、追加50豪ドルの罰金が請求されて、さらにごねる度に、お金が掛かり益々蟻地獄に落ちてゆきます。
そんな訳にて、上院、下院選挙とも投票率は毎回 常に95%以上に達します。上院は各州を1選挙区にして複数の議員を選ぶ大選挙区制です。
選挙の雰囲気もまるで違います。街宣車から大音量で候補者の名前を連呼、「お願いしま~す!」と絶叫したり、「苦戦いたしております」と泣き落とそうとしたりする方法は全くありません。
こちらではテレビや新聞が候補者の情報を得る大きな手段となり、選挙運動は学校の登下校時に送り迎えの親にパンフレットを配ったり、BBQのパーティなどを開いて公約を発表し支持を訴える程度で拍子抜けするほど静か。
穏やかな毎日は普段と変わらず選挙の度の「騒音」は一切ありません。選挙の時だけ急にニコニコ、ペコペコでやたら握手して回るような候補者もいません。
選挙の投票日になると、投票所の前に各政党を指示する代表者が待ち構えて「我が政党によろしく」というパンフレットを堂々と配布しています。
但し、「ぜひ、我が政党に投票して下さい」 とは云いません。 紳士的が原則です。 日本であれば さしずめ「公職選挙法違反」で起訴されますが・・・・ 投票方法が複雑なので、選挙会場には有権者の列ができます。
入口内部には英語以外にアラビア語、中国語、韓国語などで「投票する方法」の説明がありますが、日本人は少数民族なので説明書きがありません。
英語がよくわからない場合、「My English is poor ・・」(英語が余り得意ではないのですが)と云えばビックリするほど丁寧に詳細に投票方法説明してくれます。
選挙係員はみんなボランテアー精神に溢れた人々の集まりなので大変ありがたい存在です。 ただ、投票用紙は日本のように小さくありません。 新聞の朝刊の大きさ(横幅60cm)でびっくりします。
後で手作業にて開封するので選挙の確定結果が遅れます。
日本の選挙は出口調査が完璧で開票率1%でも当落が判明する近代的仕組みですが、この地豪州では最終集計は遅くなります。
投票所の入口には Roseville Scout 「ローズビルスカウト」の役員 & 生徒達が飲み物、BBQ、ベーコン、ソーセージの販売をしています。
加えて、ボーイスカウト、ガールスカウトの子供達は募金箱をかかえて行列の有権者に義援金を呼び掛けたりもします。
日本同様に 旅行などで選挙日に自宅にいない場合は「不在者投票制度」を利用することができます。また、インターネットで投票する制度も始まりました。
私もトライしたのですが、英語が難解で充分理解できないので、自宅から徒歩3分の Castle Cove Primary School キャッスルコーブ小学校に散歩がてら投票にゆきました。
一般的に労働党は「アジアからの移住を積極的に推進する」・・・・・・・とされていましたが、ジュリアギラード党首からケビンラッド党首に交代してから少しずつ方針が変わりつつあるので変化を期待する人々が多かったのですが・・・
残念ながら敗北してしまいました。
政権が交代すると、日本に駐在するオーストラリア大使、領事などの交代劇がはじまります。豪州政権からみると日本国はアメリカに次いで2番目の大事な貿易国なので、キャンベラ政府は相当優秀な人材を送り込んできます。
ただ、中国が大きく台頭してきたので、これからは中国貿易を日本以上に焦点を当て より研究するようになるでしょう。
ケビンラッド元首相は大学時代から中国語と中国史専攻だった関係で完璧な北京語をしゃべります。
中国政府からみれば、ラッド首相は大事な理解者(北京派)だったので、残念な結果だったでしょう。