今から57年前、1958年(昭和33年)「チキンラーメン」(日清食品)の誕生以来、簡単・便利、経済的とあって多くの人々に広く親しまれていますが、
今や一度もインスタント即席ラーメンを食べた事がない人はめずらしい時代となりました。 非常食としても重宝されているからです。
同じく、日清食品
が1971年
(昭和46年)に発売した「カップヌードル
」が世界最初の「即席カップ麺」ですが、当初は 「こんな物売れない」と問屋が
受け付けず無視されましたが「いい製品は必ず世の中が気づく・・・・」と日清食品の販売チームは、製品とお湯の入ったポットを持って、警察署や消防署のような夜勤の多い職場、スタジアムや遊園地など、これまでとは異なる特殊なルートを回りました。そうした地道な努力の末、最初の顧客となったのは、自衛隊でした。 給湯車からお湯を入れたカップヌードルが、演習中の自衛隊員の食糧として配られたのです。そして今日、幅広い層に支えられて カップヌードルはインスタント麺業界で確固たる地位を築いています。
本格的製法で製造された麺を使った美味しいラーメンを食べている皆さんは “たかが即席ラーメン” と無視されるでしょうが、“されど即席ラーメン” なのです。先日、世界24か国のラーメンメーカーが参画する「即席ラーメン協会」の発表によると、世界の即席麺の総需要が初めて1000億食 を突破しました。全世界の消費量は初めて1000億食を突破する1014億2000万食となったのです。
上位10か国のランキングは、中国やインド、アメリカ、インドネシア、ブラジルなどの人口大国中心となっているのですが総消費量となると、
人口大国が多くなるのは当然のこと。 もっとも各国での定着度となると、総消費量だけでは測れません。何れにしても、日本が考案した「即席めん」が年間1000億食以上とは凄いことですね。
ところで、実際、各国の国民一人当たりの年間消費量となると少し傾向が変わってきます。 まずベスト6は 韓国、インドネシア、ベトナム、マレーシア、日本、タイ「発祥国」日本を追い抜いて、国民一人当たり年間消費量トップは韓国がダントツとなったのです。その内訳が興味深い。まず各国の消費量ですが・・・・(人口比が違いますから・・・・)
さらに年間30食前後の国別グループに中国/香港、ネパール、フィリピンと、10位まですべてアジア勢が独占している勘定となります。
1位の韓国では70食超え、全国民が週1回以上、インスタント麺を食べている計算。 数年前はインドネシアが1位でした。
(日本人は2週間に1回以上という勘定になります。 全く食べない人、毎日食べる人の差があり その平均値です)“即席めん” インスタント食品など年に1回も食べないという人もたくさんいますから、そんな数字が妥当かも知れません。
でも、実際、お隣の国、韓国の「インスタントラーメンの普及度」は並ではありません。大好きな国民なのです。シドニーのアジアショップ食料品店では「韓国ラーメン」が一番の売れ筋商品で 一番目立つ棚に陳列されています。
その次が香港製造の「出前一丁」ブランド(日本の子会社)、そして日本製造の高級ラーメン「中華三昧」のほか「日清ら王」など。
日本のスーパー店頭でも見かける韓国「辛ラーメン」はオーストラリアでも売り上げ NO.1 実際に世界へ羽ばたいた有名即席麺なのです。
韓国の即席めんでも、調理するとまったくインスタントには見えないすぐれもの「即席めん」が数種類あります。
味も日本の即席めんを凌駕しています。 とても美味しいので日本ブランドよりも人気があるのです。
その他、若者に人気の鍋料理「ブテチゲ」を食べに韓国レストランに行くと、最後にウエイトレスが「インスタントラーメン」を鍋に入れて
食事コースを終えます。 なぜ「生メン」でなくて「即席めん」を鍋に入れるのか首をかしげたくなりますが・・・・これも文化の違いか?
日本人は見た目、見栄えを最優先します。値段の差も余りないので、もし、日本人が店長であれば、100% 生メンを仕入れてお客様に提供することでしょう。
各国の麺文化はそれぞれ微妙に異なります。
原料粉の種類にしても小麦、米、イモなどさまざま。汁の有無や「ゆでる」「炒める」「和える」など調理法や味つけにも無限のバリエーションとなります。アジア各国が「国民ひとりあたりの消費量」で上位を独占したのは、アジアにおいて「麺文化」が身近だということの証しなのです。
「テンポの速い都市生活を送る人々の間で、人気を不動のものに。
遠方への旅行のときにも携行食として真っ先に選びたくなる便利さ」(中国『チャイナネット』)
「インドネシアでは即席麺がおかずの一品として定着している感がある。
わが家でもおかずが少ないときに食卓に並ぶことがよくある」(『NNA.ASIA』インドネシア版 )
“日本発”のインスタント麺は、各国の麺文化に寄り添うようにして、年々その存在感を増してきました。
ちなみに国民ひとりあたりの年間消費量第11位のサウジアラビアのインスタント麺には「イスラム食の合格証」が・・・・
「イスラムの定める適正な方法で処理、加工された食品である」と証明された製品にはハラール(HALAL)認定マークが表示されています。
ハラール(HALAL)認定マークは原材料、製造工程、製品品質などを審査し「豚肉PORKの一切入っていない」イスラム法上適合製品である
ことが承認された合格印なのです。
このほか、上位30傑にはロシアやナイジェリア、オーストラリアなどの名もあります。インスタント麺の世界需要はまだまだ拡大中です。
一昔前、シドニーで日本の食材を販売しているのはNorthbridge (シドニー北側)の「東京マート」Tokyo Mart と「姉川」 Anegawa だけでした。
日本人は日本食材が欲しくなれば City(市内)からバスに乗ってわざわざ買い求めに行かざるを得ませんでした。2000年シドニーオリンピック前に入豪した私達は、「東京マート」へ日本の醤油、味噌、のり、漬物など日本の食材を毎週のように買い出しにでかけたのです。
昨今では、和食ブーム(寿司、ラーメン)に便乗して、韓国系、中国系のライバル、アジア食材店が雨後の筍のようにあちこちにオープンしました。
これまでまったく取り扱っていなかった コールズColes, ウルワースWoolworths といった巨大スーパーなどでも「アジア食品コーナー」を特設
して即席めん、醤油、味噌などを取り揃えてアジア系の顧客にもサービスを提供するように時代が変わりつつあります。