その日は雨が降っていた。
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何にもない部屋でボケーと赤羽はテレビを見ていた。
テレビ「今日は全国的に雨の日となるでしょう・・・」
と雨の予報を流していた。
そこにピッピッとテレビから電子音が鳴り響きそれをみた。
そこにはこう書かれていた
「ニュース速報 ただいま国満鉄道(こくみつてつどう)で脱線事故のため運転見合わせ」
と出ていた。この日は、老人会でしばらく留守にしていた
赤羽の祖父母が帰ってくる日だったのでまさかと赤羽は思った。
テレビが
「ただ今臨時ニュースが入りました」
と言い始め、
字幕に
「国満鉄道で脱線事故」
と書いてあった。
ニュースのキャスターは続ける。
テレビ「さきほど、国満鉄道で脱線事故がおこりました。」
「今のところの死亡者は次のとおりです」
ここで赤羽はテレビの音量を上げ、食い入るようた。
そして、大きな衝撃が来た。
そこには翔太の祖母である
イクモトメグミがカタカナだが表示されていたのだ。
そこで携帯電話が鳴ったがそれを無視する。
されに、翔太の祖父である
イクモトクニオの名前もカタカナだが表示されていた。
翔太は「あっうぅ・・・」と短くうなり、
先ほど電話を鳴らした相手に電話する
白川美咲に・・・・
美咲「もしもしテレビ観た?」
話さずとも内容を察したかのように言った。
翔太「あぁ観た。おばあとおじいが・・・」
美咲「まだわからないよ。もしかしたら同姓同名かもよ。」
翔太「それを確かめに現場に行こうと思う。ここからチャリで20~30分位だ」
美咲「なら私も行く」
翔太「じゃあ俺んちにきて」
美咲「わかった」
これで電話は切れ、数秒後に美咲が来る。
美咲の目は少し涙で濡れてるが、気にしないことにした。気にしちゃいけないと思った。
翔太「行こう」
とチャリに乗り込む、美咲はレインコートを着ているが
翔太はそれすら億劫なのでそのまま普段着で行く。
いつもなら「風邪ひくぞ」などとつっこむ美咲も、
なにも言わないでいる。
ザーザー降る雨の中、事故現場に着いた。
そこには、報道関係者やら警察やらが賑わっていた。
そこで横たわる恐らく死体だろうと言うものを赤羽は見つけた。
何も考えずそこに突っ込む。
立ち入り禁止のテープをかいくぐり、
警察官の制止振り切った。
いや、そもそも警察官の制止など聞こえやしなかった。
「おばあ!!おじい!!」
祖父母を呼ぶ
叫んで呼んでも返事はない。
「ああああああああああああああ!!!!!!!!!」
赤羽はその場で鎧のように重いものを
身に着けているかのように座り込んだ。
ここにあるのは間違いなく祖父母の死体
だけど、これを現実と受け止められない。
両親を交通事故で失い、まさか祖父母も事故で失うとは夢にも思わなかった。
しかし、これが現実で運命なのだ。
警察官に呼ばれ我に返る。
職務質問と厳重注意をされ家に返された。
美咲「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
翔太「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
二人の間に沈黙が入る。
家の前で僕は思わず美咲を抱きしめた。
ぬくもりが欲しいのか、生きている実感が欲しいのかわからない。
ただ、
美咲を抱きしめた。
翔太「・・・守るから・・・」
美咲「・・・うん・・・・・」
翔太はわけもわからず守るから宣言をしてしまっていた。
美咲もうんと言ってくれたからよかたけど・・・
翔太は、再度抱きしめ、泣いた。
思えば、泣くと言う行為を忘れていた。
なんなのだろうか、この目から泉のように溢れ出てきてとまらない水は。
「もう何も失いたくない。もう何も失わせやしない!」
翔太は美咲に抱きついたままこう決意したのだった。