みんな熱かった！！！

ＲＳの発表展示会当時、私はまだ高校生だったが、とにかく１秒でも早くＲＳを見たくてディーラーに向かった。屋外に佇むグレーとブラックのツートンカラーのセダンＲＳ、私が初めて対面したＲＳだ。『4VALVEDOHC ＲＳ』のサイドステッカーを纏うその精悍なスタイルは文句ナシにカッコ良かった！周りには多くのクルマ好きな連中が取り囲む。次々にＲＳの運転席に身を沈め、その全員がスターターキーを回し、ＦＪ２０Ｅのサウンドに酔い知れていた。私もやった。そのサウンドは野太く、乾いたメカニカルな、しかし、物凄く透明感のある、美しいものだった。あれこそ、エキゾーストノートと呼ぶにふさわしい！あれ程美しいエキゾーストノートを奏でるクルマは初めてだった。あれなら全員セルモーターを回して当然だろう。あんな発表会は後にも先にも私にはＲＳだけかも知れない。買い手も創り手も本当に熱かった。クルマが若者の憧れだったあの時代・・・本当にいい時代だった・・・あの時代のクルマを知る世代に生まれた事を、幸せに思う。叶わぬ事だが、あの時代に戻ってみたいものだ。