不思議な体験をした。
昨日、地下鉄の駅を出ると地上の出口付近に女性が立っていた。
夜8時頃。
若い人で首から何かぶら下げていた(社員証のような感じ)。
人を探しているような、道を聞きたいような感じだった。
私に話しかけようと寄ってきた(私は寄っていないし相手も同様)ように見えた。
私は、どうしたの?と声をかけると
メモ帳のようなものに数行の日本語を記載したものを見せてきた。
あまりじっくりとは読まなかったが、見た瞬間に本人から
"フィリピンからきた留学生です" と
どうやら埼玉の会社に働きに来ていながら勉強をしていたようだけど、コロナで仕事がなくなって寮のお金を払えなくて、今は東京の友達の家に頼っているといった感じのことだった。片言だったので詳細は分からず。
で、何をして欲しかったかというと、お金が無いので自分が用意したチョコレートを買ってくれないか?という事だった。
このチョコはどうしたの?と聞くと、スーパーで買ってきました、と。
買ったチョコを別の袋に小分けにして袋詰めしていた。1袋500円。
お話が本当の事なのかどうかは分からない。
だけど、一所懸命だった。
行きがかり上、無視するのも可哀想だから仕方が無く買いますよ、と伝えた。
小銭が無かったのでおつり頂戴というと、彼女は50円玉ひとつしか持っていなかった。
じゃあ、もういいかと思って1000円をそのまま渡してしまった。
別に嫌な気持ちはないし、そんな額で何かの足しになる訳でもないだろうけど、異国の地で辛い目にあっている中で彼女なりに必死になって考えたお金を稼ぐ方法、それがチョコの転売だったわけだ。それはそれでいいじゃん、と乗った。
どうしてこの駅なのかなど疑問はいくつもあった。だが、まあそれはそれで、一期一会ってことで。
電車のルートが自分のルートの途中だったので、片道の回数券もあげた。
辛い状況だけど、一人でも助けてくれた人が居るってことを思い出してもらえればよいな。
日本人も全員が悪い訳では無いんだよ、ってことで。
がんばってね~
名前も知らないあの娘