留学も終盤になり、これまでを振り返ってディベート留学の感想を書いてみます。

・なぜディベート留学?
そもそも、留学はしたいな~と思っていて、イギリスに憧れを抱いていたこともあり、1年生の秋頃に交換留学を申し込みました。だから最初はディベート留学をしたかったわけではなく、なんとなく留学というものに興味があった、という方が近い感じです。
即興ディベートは大学から始めました。高校生の時に体験ディベートをして、全く喋れず、聞き取れず、茫然と立ち尽くしたのを今でも覚えています。その無力さに打ちひしがれた経験から、もっとディベートがうまくなりたい!と思ってこの世界に飛び込みました。
人一倍かどうかはわかりませんが、練習に励み、たくさん大会に出させて頂きました。大会に出場する度、勝ちたいと必死にスピーチを繰り返しましたが、国内大会でディベーターとして一度も予選を突破することは出来ませんでした。
このまま「勝てないディベーター」でディベート人生を終えるのか、と思うとつらかった思いがよみがえります。
そこで、どうせイギリスに留学するならディベートを学びに行きたいと思うようになりました。イギリスは即興ディベートの本場です。オックスフォード大学やケンブリッジ大学、ダラム大学といった強豪校の多い国に身を置くことで、もう一度ディベートをやり直そうと思いました。
・ディベート留学の全容
留学先ではニューカッスル大学のディベートサークルにお世話になり、そこで、初心者としてもう一度ディベート人生を歩むことにしました。
最初はとても身構えていましたが、サークルはとてもアットホームで、すぐに溶け込ませてくれました。
レクチャーの違い:毎週行われるレクチャーはとても新鮮なものでした。いわゆるAREAやSQ, APといった日本では基本的な考え方は全く習わず、Analysis, Responsiveness, Relevanceといったことをジャッジ目線から教えてもらいました。それらのことを意識するだけでかなりスピーチが「それっぽく」なりました。
コンテンツ教育:トピック解説もたくさんして頂きました。特にユーゴ問題、パレスチナ問題やWTO、IMFなど国際関係を重点的に習いました。というのも、こちらの大会で出題される議題はかなりの確率で国際関係であり、それも知識がないと歯が立たないのです。国際関係は未だに苦手ですが、ちょっと話の分かる奴になれた気がします。

↑議題:当議会は、パレスチナ人は独立国家の樹立構想を諦め、パレスチナとイスラエルとの単一民主国家の樹立を要請すべきであると考える
レトリック:当たり前ですが、イギリス人って英語うまいな~とスピーチを聞く度に思いました。たいしたことない話でも、とても壮大に聞こえるのはやはり語彙の使い方が上手なんでしょう。僕はかなりマターよりのスピーチをするのですが、内容で本質的には勝っていても見劣りがすることが多々あります。レトリックの上手なイギリス人のスピーチをたくさん聞けたのはとても貴重な経験でした。
ユルユルのプレパ:プレパ(準備時間)は15分、短い時間でチームメイトと何を言うか決めなければいけません。でも英語がお察しの僕は、たいていの場合、単語を拾うことしか出来ませんでした。単語から意味を推測し、だいたいこんなことを喋るんだろうと検討をつけ、じゃあ自分はこんな話をするか、という感じです。大まかに内容を定めておいて、あとはディベートの成り行きで勝手にスピーチをする、それがイギリス流でした。だいたいこんな感じで、うまくいくもんです。

↑初めて予選突破した僕(Closing Gov)。なぜかこの後、決勝にいくことに。
・一番得たものは?
心の余裕でしょうか。プレパ時間のユルさをいえば、日本と比較になりません。僕は日本にいた頃、プレパ時間にとても焦り、真剣に取り組んできました。それが悪かったわけではありませんが、余裕のないプレパだったなあと思います。だからラウンド中に自由がきかず、クロージングの弱さが顕著でした。
こちらに来てからは、ご飯食べながらプレパをして、ノートはメモ書き程度、緊張感がありません。そのユルさこそ自分に欠けていたものなのかなと思います。結局、即興ディベートはどれだけディベートを客観的にみるかが大事だと思います。心の余裕がないと、なかなかそれが難しく思います。ユルくプレパをして、テレビ番組を観るようにラウンドを観る、それが客観的にラウンドを観ることを可能にし、柔軟性に富むスピーチをすることに繋がるのだ、と気づいたことがディベート留学の成果でした。
あとサークルも2回だそうで、とても寂しく思います。日本に帰ったら大会に出て、予選突破してみたいです。