実彩子 side

"行っておいで。"

そう私を送り出してくれたにっしー。

降ろされたのはご存知O'clock。

今日のこの時間はここに居るだろうって

教えてくれた。

やっぱにっしーには感謝してもしきれないや。

宇「ふぅ……」

気持ちを落ち着けて、ドアを押す。

カランカラン

○○「あら、いらっしゃい。久しぶり。」

宇「うん。久しぶり。」

ここは変わらない。 

変わったのは私の本当の気持ち。

いや、もしかしたら、

私の気持ちも何もかも高校の時から

何も変わってないのかもしれない。

○○「あ、ここ座りなよ。」

○○が指さしたのはカウンター席の1番奥。

いつもの席、の隣。

宇「ここ誰か座ってるの?」

私がいつも座っていた席には

コロナの入ったグラスが置かれている。

○○「そろそろ戻ってくるよ。」

誰だろ?

宇「私の知ってる人?」

○○ 「知りすぎてる人。」

宇「何それ笑」

○○「あ、噂をすれば、」

○○の視線を辿ると…

そこには…  

宇「光啓……」

黒で統一された服に身を包んで佇むその姿は

大人っぽくなったけど高校時代と

変わらない雰囲気を醸し出している。

日「どうして、来たの?」

宇「…光啓に、話が」 

また、光啓の目が見れない。

日「まって、」

宇「……え?」 

日「俺、振られるの?」

ん?

宇「え。」

日「なら、聞かない。」

もう…

すぐそーやーって自分で勝手に解釈するんだから…

宇「ち、違うよ!……え、と、あのね、なんて言うか……あ、その逆と、か、言うか……ん?…」

焦りすぎて日本語がおかしいよ…

日「、、、逆?」

宇「あ。」

ばか。

逆なんて言ったらもう

好きって言ってるようなもんじゃん…

日「……西島は、?」

やっぱそうだよね…

にっしーのこともしっかり話さなきゃ。

宇「……自分の気持ちに気づいたなら俺は潔く振られてやるよって。光啓がここに居るって教えてくれたのもにっしーなの。」

日「そっか。で?」

宇「えっ、で?」

日「それで、実彩子は何を言いに来たの?」

宇「今言ったじゃん……」

日「西島が言った言葉は聞いた。でも、俺は実彩子の言葉が聞きたい。」

この人はいちいち私の心を掻き乱す。

宇「……私はずっと前から」

今まで逃げてきた事実。

気づいていたのに知らない顔をして、2人を傷つけた。

私なんか幸せになっちゃいけないんじゃないか。

そんな風に何度も考えた。

でも、今日は逃げないって決めたから。

宇「光啓のこと、好きだったよ…」

やっと、言えた。

恐る恐る光啓の顔を見ると、ニコッと微笑んで

日「ん。俺も。」

その瞬間、光啓の影と私の影が重なった。

日「可愛いっ」

宇「う、うっさい……/////」

○○「良かったねー」

宇「ふぇっ//////」

ビックリしすぎて変な声出た…///

日「色々ありがとね○○ちゃん」

○○「私はなーんも」

お?

日「話聞いてもらったし」

○○「一方的に話してただけでしょ」

あれ?

日「否定はできない」

○○「ほら」

日「ははっ」

宇「ねぇねぇ、なんか、仲良くなってない?」

2人の会話に何故か違和感を覚えたから

光啓の顔を覗き込んで聞いてみる。

○○「ふふっ」

え、なぜ笑い?

日「やばっ…」

何がよ?

宇「光啓耳赤いよ?」

日「うるさい…」

ん?

○○の方に目を向けると、

○○「お熱いこと」

まだニコニコしてる…

宇「何がそんなに面白いのさ」

日「あのさ、それって嫉妬?」

宇「嫉妬…?」

日「俺と○○ちゃんが仲良いことに嫉妬してるの?」

私が嫉妬??そ、そんなっ!!

宇「べ、べ、別に、そんなんじゃないよ!!」

私、嫉妬してるのかな…?

日「嬉しいんだけど」

宇「え、なんで?」

日「俺の事好きだから嫉妬してるんでしょ?」

宇「/////」

顔が一気に熱くなる。

日「あーもう限界。○○ちゃんまた来るわ。」

○○「はいはい」

そう言ってカウンターチェアから

離れたと思ったら私の腕を引いて店を出た。 

宇「えっと、、、どこ行くの?」

日「ん?あぁ、実彩子ん家」

宇「えっ、うち来るの?」

日「約束したじゃん」

宇「ん………?あ、そう言えば……でm」 

日「ダメ…?」

宇「……ッ」////

その顔本当に反則…///

宇「いい、けど…」//////

日「やった!」

こどもかよ笑

宇「ふっ笑」

可愛い…

日「実彩子」

宇「ん?」

日「好きだよ」

宇「私も」

日「本当?」

宇「本当。」

日「ありがとう」

宇「ん」

私はこの世で1番の大切な物を

手に入れたのかもしれない。

でも、その逆ににっしーはきっと大切な物を失った。

私には私の道があるように

にっしーにもきっと、

にっしーの幸せになる道があると思うから。

私は今隣にいるこの人と歩んでいこうと思う。

宇「幸せ」

日「俺も」

ほら。

私は正しさは分からないけど、

これが正解だったって思ってるよ。

いつまでも一緒にいてね光啓。



fin