福岡県久留米市を流れる筑後川は九州では最大規模の河川である。
そんな筑後川に面した場所に、その神社は鎮座しています。
「水天宮」
全国の水天宮の総本宮となるのが、久留米に鎮座している水天宮です。
水天宮の歴史
1190年に今の筑後川のあたりで鷺野ヶ原に逃れてきた按察使局伊勢（あぜちのつぼねいせ）により、初めて祀られたのが始まりとされています。
伊勢はその後、剃髪して周囲の地域のために加持祈祷を行うことになります。
これが、霊験あらたかと言われ始め水天宮はこのとき尼御前神社と呼ばれていました。
1650年に久留米藩2代目の藩主である「有馬忠頼」により現在の地に遷されます。
ちなみに、東京都中央区日本橋にある水天宮も有名ですが、久留米水天宮から御分霊されたものです。
これは1818年に久留米藩9代目藩主「有馬頼徳」が参勤交代の折、江戸でも水天宮に親しくお参りしたいと勧請されたのだとか。
当時は江戸の久留米藩有馬家上屋敷にあったのですが、明治5年に日本橋の地に遷座されたそうです。
御祭神
御祭神は四柱の神様です。
【天之御中主神】
天地開闢の時に最初に現れた神様。
造化三神としても知られています。
始まりの神様ですが、謎の多い神様で書物にはほとんど登場しない。
北極星を神格化した妙見菩薩と習合されてから、信仰が深くなったともいわれています。
【安徳天皇】
第81代天皇
齢1歳4ヶ月で天皇になり、6歳4ヶ月の時に源平合戦の最終戦である壇ノ浦の戦いにおいて平家が敗れると二位尼に抱かれて海に入水したとされています。
歴代天皇の中で一番若くして崩御された天皇です。
※数え年ではなく、満年齢で記載してます。
【高倉平中宮（たかくらたいらのちゅうぐう）】
安徳天皇の母である平徳子
壇ノ浦の戦いで、安徳天皇と共に入水したが源氏によって引き上げられ京へ送還される。
その後、出家し安徳天皇と平家一門の菩提を弔ったとされている。
【二位尼（にいのあま）】
安徳天皇の祖母である平時子
壇ノ浦の戦いで、平家が敗れると安徳天皇を抱き入水しました。
この時「波の下にも都がございます」と安徳天皇を慰めたといわれています。
安徳天皇を抱いて入水したのは、水天宮を祀った按察使局伊勢という説もあります。
どちらにしても、わずか6歳で自ら命を絶たねばいけなかったのかと思うと胸が苦しくなります。
他に道はなかったのかと・・・。
世界に目を向けると戦争で幼い命を含めて多くの方が亡くなっていますが、権力を持ってしまった人は歴史に何を学んでいるのでしょうか。
なくなることのない争いですが・・・それでもなくなって欲しいと願うばかりです。
御神徳
古くから水の神様として、農業、漁業、船舶業に加えて子供の守護神、安産、子授けの神様として厚く信仰されてきたそうです。
子供の守護神とは、幼くして命を落とした安徳天皇の加護なのかもしれませんね。
素敵な社殿
鳥居をくぐり参道を歩きますが、朝早かったのもあり清掃をされておりました。
気持ちのいい挨拶をしていただいたので、こちらも挨拶させていただきましたが晴れやかな気持ちになりますね。
参道の距離はどれくらいだろうか。
100メートルか150メートルといった感じでしょうか。
神門の手前には池があり、橋がかかっていました。
池の水は抜かれております。
池ぼしをしているのでしょう。
きっと、次に訪れた時は綺麗な水をたたえていると思います。
そして、橋を渡ると手水舎です。
ガラスが張られており素敵な感じです。
ちなみに、センサーになっているので近づかないと水は出ません。
こちらが神門。
神社はやはり朝の早い時間がいいですね。
本当に参拝客がいないので、静かです。
こちらが、拝殿となります。
立派な作りで、少しお寺を思わせる雰囲気があります。
結構強い感じの印象ですね。
境内社は、社殿の周りに3社あります。
- 千代松神社
- 秋葉神社
- 水神社
- 真木神社
九州最大の川である、筑後川です。
本当にすぐ横を流れています。
朝ここをジョギングして、水天宮にお参りするのも素敵だと思いました。
水天宮総本宮・・・とても素敵な神社です。
また、機会があれば参拝に上がらせていただこうかと思います。
ではまた〜
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