初夏の航空知識強化月間 ① | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 すんげ~タイトルつけていますが、
まぁ、私のブログでよく登場する単語が、
飛行機や飛行場のどういった部分で、
どのような働きをしているのかを
簡単にご紹介する企画。
 
 さる女流写真家さんから使用の御承諾を
頂戴したので、ありがたく使わせていただき、
今日は「Primary Control Surface」と呼ばれる、
最も基本となる操縦舵面をご紹介。

Primary Control
 後方から見事に航空機の舵面を捉えた傑作。
 
 ① Elevator (昇降舵)
   そのものずばり。機首を上に向けたり
   下に向けたりして、機体を上昇、下降
   させたりするときに使う舵。通常、水平
   尾翼の後ろ半分がこれになっています。
   操縦輪を押すと機首が下がり、引くと
   上がるようになっています。

 ② Rudder (方向舵)
   これもなんとなくわかりやすい舵。
   機首を左右に振るための舵面で、
   垂直尾翼の後ろ半分がこの舵です。
   足元のペダルを踏み込むことで
   操作し、右のペダルを踏み込むと
   機種が右を向きます。

   余談ですが、この単語「らだー」と
   発音します。ところが、この業界、
   もう一つ「らだー」がありまして…
   戦闘機などで、パイロットがコック
   ピットへの出入りをする際に使う
   梯子… これも「Ladder」なんです。
   「R」と「L」… 日本人が頭を悩ます
   音の違いですね(笑)
 
 ③ Aileron (補助翼)
   日本では「えるろん」と読みます。
   フランス語で「小さな翼」を意味する
   言葉なので、「補助」翼という和訳が
   できたのでしょう。補助どころか、
   実は飛行機の操縦に一番大切とも
   言われている、左右の傾きを司る
   舵面です。他の二つの舵面よりも
   繊細で、飛行速度によって効きが
   極端に変わってくるので、大型機では
   外側補助翼と内側補助翼に分けて
   取り付けてあります。操縦輪を左に
   回すと機体は左に傾きます。

 実際の飛行では、この3舵を組み合わせて
使用し、安定した飛行を作り出しています。
 
    (つづく)