「楽」 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 ブログ友達の方としばし「教える」ことに
ついて雑談。他人に「伝える」ということの
面白さ、やりがいなんかで共感。
 
 以前にもどこかで書いたような覚えが
あるのだが、私はよく訓練生に「『楽しい』と
『楽(らく)』は違うよ」と諭している。特に
教官候補生には。
 
 もともとはラグビーの師から言われた
言葉ではあるのだが、飛行機のみならず、
日々のいろいろなシーンで噛みしめる
言葉である。
 
 「楽(らく)」は、体か頭、あるいはその
両方がサボっている状態。自分に負荷が
かかっていない = 成長できていない
状態であると私は考えている。同じ漢字を
使うが、「楽しい」の場合は、自分に負荷が
かかっているが、その状態を快感と捉えて
いられる状態のことだとも思っている。
 
 「楽し」ければ、多少の負荷なぞものとも
しない。難しい課題も、厳しい練習も、
前向きに取り組んでいける。
 
 対になる言葉は「楽(らく)⇔きつい」 
「楽しい⇔辛い」かな? 「きついけど
楽しい」という状況が、人が一番伸びる
状況だと思う。自分の心身にかかっている
負荷をプラスにとらえられるから、グングン
吸収して伸びていく。反対に、どんなに
楽な課題であったとしても、それを「辛い」と
思ってしまったら、嫌々取り組むことになるか、
あるいは課題に背を向けてしまうようになる。
 
 訓練生をそのようにしないためには、
厳しい訓練ではあるが、「こいつについて
行けば間違いない」と思ってもらえるように
なることが最良の姿勢であると思っている。
 
 そして、その決め手は…?
 
 もちろん知識も技量も必要、だけど、
一番大切なことは、教える側が「楽しんで」
いるかということ。飛ぶことが楽しい、教える
ことが楽しい… そんな姿こそ、真っ先に
伝えなければならないことだと思っている。
 
 だからこそ、常に「笑顔」…
 
    できれば苦労しないんだよ orz