航空管制の傍受 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 ヤフーニュースが航空管制の
通信内容を公開している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160523-00000047-rps-soci

(以下抜粋)
 VC-25はアメリカ大統領の専用機で、
一般的に「エアフォースワン」とも
呼ばれている。大統領が搭乗していない
場合は別のコールサインが用いられる
ものの、昨日運航されたものは管制に
対して「エアフォースワン」とコールしていた。
 (ここまで)

 「管制に対して」
 
 なぜそれがわかったの?

 航空無線を聞いていたんでしょ?
 

 以下、電波法。

 (秘密の保護)
第五十九条  何人も法律に別段の
定めがある場合を除くほか、特定の
相手方に対して行われる無線通信
(電気通信事業法第四条第一項
又は第九十条第二項 の通信たる
ものを除く。第百九条において同じ。)
を傍受してその存在若しくは内容を
漏らし、又はこれを窃用してはならない。
(罰則)
第百九条  無線局の取扱中に係る無線
通信の秘密を漏らし、又は窃用した者は、
一年以下の懲役又は五十万円以下の
罰金に処する。
 
 航空無線は、航空機が「当該管制機関
(この際は『横田タワー』)に向けて、管制
機関は「当該航空機(この場合は『Air
Force One』)に向けて行う「特定の相手方」
に対して行われる無線通信であって、
ラジオ番組のような不特定多数に向けた
送信ではない。
 
 聞くだけなら問題はない。しかし、
それを得意げに記事にしてはいけない。
こんな基本的なことを知らなくても
今の記者はやっていけるんだね。
楽な時代になったもんだ。
 
 もし、「自分たちは配信してやってるんだ」
というスタンスで、航空管制の通信内容を
不特定多数に向けて公開したのならば、
それはメディアの思い上がりだと思う。
 
 仕事柄、様々なチャンネルで航空無線を
聞くし、自分がその当事者となって地上でも
上でも通信を実施する。中にはとんでもなく
面白い内容もあるのだが、自分が話した
内容以外をここで書かないのはこの法律の
ためでもある。