右側前方30度の方向からのガスト
(突風成分)を伴った風。離陸時は
17ノットガスト26ノット(約8.5~13m/s)、
着陸時には24ノットガスト28ノットまで
上がっていた。
sin30゜= 1/2だから横風成分が28x1/2=14
訓練機の横風制限が15ノットだから
横風制限いっぱいに近い着陸。ある意味
ここまでわかりやすい風も珍しいので
訓練生に計算をさせながら進入を任せた。
右の前から風が来ているので、初めは
機首を右に振る

Crabing(=蟹の横這い)方式で、機首は
風を向いたまま、機体は横滑りをしながら
滑走路の中心線を維持する。推力の成分で
風に対抗するので、この時の偏流調整は
機首方位で行う。
ただ、このまま着陸したらあさっての方向に
機体が走り、滑走路を逸脱してしまうか、
最悪脚を折ったり、勢い余って機体が
横転する可能性もあるので、接地直前に
機軸を滑走路と平行に合わせなおす。
そうすると機体は風下に向かって流され
始めるので、今度は機体を風上側(今日は
右側)に傾け、右側へ引っ張る力で機体を
滑走路中心線上に保つ。このときは揚力の
成分で風に対抗する。ただし、このままでは
機首も右に偏向を始めるので、風下側の
方向舵を軽く踏んで機首を正面に保っておく。
その際の横滑り量の調節は機体の傾きで
行う。方向舵の操作量もそれに付随する。
そうすると機体は
1.風上側の主輪
2.風下側の主輪
3.前輪
の順に接地し、機内ではトン・トン・トンと
3回衝撃を感じることになる。
これが正しい横風着陸。
言うは易し、行うは難し(笑)
今日はいい練習日和だったようで、
飛行後のブリーフィングで図を描いて三角
関数の説明をし始めたら訓練生が吐きそうに
なっていたので、これは次回に回すことに…
私も訓練生時代は泣きが入ったのよ。
でも、自転車に乗れるようになる時と一緒で、
一旦できるようになると体が自然に操作の
感覚と操作量を調整してくれるようになる。
文章で書くと相当ややこしい作業にみえるが、
やることは単純。そうなるまでは、練習、練習♪