いよいよ本格的な冬到来。
寒気団が日本列島を覆い、
5,000フィート(約1,500m)位の
高度でも外気温が氷点下に
なる日が珍しくなくなる。
そうなると問題となって
くるのが「氷」との戦い。
外気温が氷点下の状態で
雲に飛び込んでしまうと、
あっという間に機体に氷が
ついてしまう。「着氷」と
呼ばれるこの現象、いったん
起こるとものすごい速さで
機体全体に広がっていく。
機体についた氷は重量を
増加させ、翼についた氷は
揚力を奪い、飛行機を
事故へと誘う。そんな氷との
戦いの武器となるのが「防氷」
と「除氷」システム。
ただ、気をつけなければ
ならないのは、「防氷」装置は
「着氷」してからでは手遅れ、
「除氷」装置は「着氷」する
までは役に立たないという
こと。構造を理解し、さらに
適切なタイミングで作動
させなければ宝の持ち腐れ
どころか、命取りになり
かねない。
訓練生達が将来乗るかも
しれないから、一応座学と
シミュレーターで教えては
いるものの、普段飛ばして
いる機体には防氷装置も
除氷装置も装備されて
いない。
じゃぁ、着氷しそうな時は
どうするのかって?
「飛ばない」のが一番の「防氷」じゃ!