今月1日、アメリカ連邦航空局
(FAA)が、国際民間航空機関
(ICAO)が定める安全基準に
則った監督を実施していないとして、
タイの評価を「カテゴリー2」に
格下げした。 → 公式発表
これは個々の会社ではなく、航空
行政を司るタイのDCA(民間航空省)
の問題なのだが、とばっちりを食った
格好で、タイのフラッグキャリア、
タイ国際航空が2日で10%の株価
暴落に見舞われた。
この問題、今に始まったことでは
なく、3月にはすでにICAOから警告が
出ており、6月にはICAOが公式に
「安全に関する重大な懸念」を指摘
しており、それを受けてもなおタイ
政府が改善の措置をとらなかった
ことを意味しているので、意外と根は
深い。日本は6月の時点ですでに
新規の乗り入れと既存路線の増便の
禁止を打ち出しており、今回のFAAの
措置でアメリカへの路線開設も不可能に
なってしまった。
もともと太平洋線はロサンゼルス線を
運休中だったため、それほど大きな
打撃にはならなかったが、ICAOに続き、
FAAが「お前の国の航空行政は信用
できん!」という意思表示をしてしまった
ため、EU始め欧州各国がこれに続く
可能性も出てきた。
収入の多くを欧州線に依存している
タイ航空、ただでさえ621億円の大赤字を
抱えているのにこんな仕打ちを受けて
しまったら、本気でヤバイかもしれない。
LCCならまだしも、古参の、しかも半国営
フラッグキャリアが倒産とか、シャレにも
ならないから、行政も早期に手を入れて
航空行政の改善に努めて欲しいものだ。
…それでも私は乗るけどね、タイ航空(笑)